過去ログ - 【モバマス×蟲師】肇「宿る土」 -SS速報VIP

過去ログ - 【モバマス×蟲師】肇「宿る土」

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6: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:00:36.89 ID:5DtsFKz40

――居間、といっても、畳張りの和室。

古ぼけた箪笥の上に神棚が備え付けられている。

7: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:01:18.89 ID:5DtsFKz40

肇「おじいちゃん、新しいテレビ買ったの？」

祖父「ああ、お前がアイドルを始めてからな」

8: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:02:31.47 ID:5DtsFKz40

祖父「まあ飲みなさい。この間の歌番組、見せてもらったよ。もうすっかりアイドルじゃのう」

肇「そんな、私なんてまだまだ……でも、ありがとう」

9: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:04:20.11 ID:5DtsFKz40

体の中に、柔らかい感覚が広がる。

祖父が淹れてくれるお茶は、いつも肇をいたわってくれるようだった。

10: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:05:50.37 ID:5DtsFKz40

肇はきょとんとして手の中の湯呑みを見る。

決して華やかな器ではない。けれど、年季の入った、落着きのある風合いの湯呑み。

11: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:06:44.86 ID:5DtsFKz40

祖父「お前も知っての通り、我が家は代々、この地で陶芸を営んでおった」

肇「うん」

12: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:08:04.26 ID:5DtsFKz40

――山の中の東屋。閉めきられた木製の雨戸を、農夫がどんどんと叩いている。

13: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:10:20.67 ID:5DtsFKz40

農夫「……そうかい。まあ、まだ祝言まで日はあるから、ゆっくりつくってくれや」

はじめ「すいません、祝言には必ず間に合わせますから……」

14: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:11:10.49 ID:5DtsFKz40

「あの、もし」

はじめ「はい、なにか？」

15: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:11:52.09 ID:5DtsFKz40

はじめ「……ええ」

はじめが小さく頷くと、男は意外そうに眼を開いた。

16: ◆gub37fWhE5Dd[saga]
2015/06/15(月) 01:12:40.10 ID:5DtsFKz40

はじめ「蟲師……ですか？」

ギンコ「ええ、まあ。こちらにうかがったのは、別に器を欲しくてという訳ではないんですが」

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