過去ログ - 【Fate】聖杯戦争を突き抜けろ！【安価とコンマ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【Fate】聖杯戦争を突き抜けろ！【安価とコンマ】

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828: ◆PLTbiiswfL.Y[saga]
2015/06/27(土) 22:16:16.43 ID:iz8lIM5Qo

「………」

側にはアーチャーが実体化していて、既に白黒の双剣を構えている。

やがて、切嗣が玄関を仰々しくスライドさせると、カソック服に身を包んだ、中年の男性がいた。

年は、切嗣と然程離れていないと見える。その男が、旧友を出迎えるかのような喜悦を浮かばせて、唇を動かせる。

「―――久し振りだな、衛宮切嗣」

遠雷のように、重く低い声が神託のように響く。

そして、顔色を刹那に変えた切嗣が、コートの懐に忍ばせていた愛用の銃であるトンプソン・コンテンダーを構えようとする。

だが、ズイと伸ばしたカソック服の男の腕がそれを阻む。切嗣は顔を顰めさせて即座に後退しようとするが、大樹のように重く太い腕がそれを許さない。

「来客に、随分な歓迎をする。養子の前で、その振る舞いは教養が知れるというものだぞ」

歪んでいる口元をそのままにそんなことを言う男に、この男は危険なのだと弥一は思い知る。

だが、特に危険なのは男の背後で控えている黄金の男性だ。未来視によって掴んだ、男の行動は熾烈であり苛烈だ。

鞘から刀を遠慮もなく抜くと、上段に構える。爛と輝く蒼い眸で、襲撃者を撃退するビジョンを描く。

「第五次聖杯戦争もたけなわ。ここは一つ我らの因縁にも決着を付けようではないか」

見るも邪悪な笑みを浮かべて、カソック服の男が退く。そして、ライダースーツを着込んだ黄金の男の横に並ぶ。

「だが、ここで戦うと周辺被害に頭を痛めることになる。衛宮切嗣よ、この家には広々とした庭が有るだろう、そこに移動するぞ」

無言で頷いた切嗣は、夜風にコートを翻しながら庭に歩んでいく。自分と士郎は、敵意とサーヴァントを露わにしてそれに着いていく。

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