18: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 22:08:08.93 ID:7IXBXgnJ0
「今日はここまでにしましょうか」
いつもどおりに雪ノ下の合図で部活は終わりの時を迎えた。
バレンタインの話のあとは雪ノ下の淹れてくれた紅茶を嗜み、いつも通り読書をして活動時間のほとんどを過ごした。
んー本日の業務は終了っと。よく頑張りました。何もしてないけど。
立ちあがって両手を天に突くように伸びをする。猫背に丸まっていた背中を伸ばすとポキッという軽い音がした。
3人がめいめい身支度を整えると部室を後にする。
部屋の電気を消して、廊下に出ると静けさと外の暗さも相まってよけいに寒々しく感じた。
「では私は鍵を返却して来るわ」
「あ、一緒に行くよ」
由比ヶ浜が雪ノ下にじゃれつきつつ言う。ほんと仲良いですね。
こうなると何を言っても離れないとわかっているのか、雪ノ下も好きにさせている。
「じゃあ俺は帰るわ」
「比企谷くん。また明日ね」
「バイバーイ、ヒッキー!」
「また明日な」
ふたりと別れてひとり家路につく。
夜の帳が下りた世界を校舎の窓からわずかに漏れる光が照らしていて、ふぅと吐いた息は白く濁り空中を漂いすぐに霧散した。
この時期特有の乾いた風が体の防寒されていない箇所にあたると、痛いくらいに冬という季節を感じてしまう。
早く暖かくならないかな。夏になったらなったで早く涼しくならないかなとか思うんだけどね。
……こういう時は、あれだな。
そう思い立ったら、あとは自販機を目当てに歩きだす。
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