過去ログ - 八幡「贈り物には想いを込めて」
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29: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/15(月) 23:20:04.53 ID:7IXBXgnJ0
本日何回目かの溜息をついてから一色の合図でペダルを漕ぎだす。

わずかな浮遊感のあとにぐっぐっ、と力を込めていくと安定巡航に入った。

リズムよく足を上下させ、一定のペースを心掛ける。
一色へ伝わる振動を抑えるため、出来る限り舗装の悪い箇所や段差等を回避する。
同時に点数稼ぎのステルス警官への注意も怠らない。あいつらどこに隠れてるかわからないからな。

後ろに腰かける一色が奏でるハミングをBGMにして、黙々と駅までの道を進んでいく。

「先輩、なんだか慣れてません? まさかの経験豊富ですか?」

駅まであと半分くらいかという所まで来た時に、少し茶化すような口調で一色が尋ねてくる。


「妹を学校まで送ることがたまにあってな。それのせいじゃねーの」

「そういえば妹さんいるって選挙の時に言ってましたもんね。一度会ってみたいなー」

「……まぁ機会があればな」


「機会があれば」社交辞令の代表格に当たる。

相手の提案に対して、実際にやる気はないが、前向きに考えてますよー感を出すことが出来る便利な言葉だ。
これは「行けたら行く」「怒らないから話してみなさい」と並んで信じてはいけないとされる。ソースは俺。

それに、こいつを小町に会わせるわけにはいかん。
俺の小町が一色の疑似ゆるふわオーラに毒されていく様を見たくはないからな。やだ俺の独占欲高すぎ……?

「機会があればって……先輩絶対やる気ないですよねー? わかっちゃいますよ?」

「…………」



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