66: ◆D04V/hGKfE[saga]
2015/06/16(火) 23:24:27.41 ID:9WL6O8ki0
三浦の無言のプレッシャーに押し出されるように2人組は教室を出ていくと、戸部が葉山の持つ、受け取ったばかりのチョコをまじまじと見つめながら再度茶化し始める。
「かー、隼人くんまーた貰っちゃってるじゃん。去年より多いんとちゃう?」
反省していない様子の戸部に三浦がキッと睨みつける。
葉山はその様子を見て苦笑しながら言葉を発する。
その笑みは届かぬ何かを想っているようで、声には僅かだが諦観が滲み出ている、そんな気がした。
「そうだな……ただ、数じゃないんだ。俺が本当に欲しいのは……」
「隼人くん? どーしたん?」
最後の方は声が小さく、こちらの耳にははっきり届いてこなかった。
それでも何となくニュアンスは伝わった。
葉山は視線を教室内をめぐらした後に、こちらの方をじっと見つめてくる。こっち見んな。
話を聞いていたのがバレただろうか?まぁばれても別に困ることはない。それに、あんな大声で話す方が悪いのだ。
それよりまずいのは……あれだ。
腕を枕にして、完全に机に突っ伏すスタイルに変更しておく。
あれの相手をする気にはさらさらなれない。
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