9: ◆D04V/hGKfE[sage saga]
2015/06/15(月) 21:47:05.18 ID:7IXBXgnJ0
つーか、ゆるゆりしてるところ悪いが俺もいるんだけど。
完全においてけぼりにされているが、よく考えずともいつも通りのことなので
俺もいつものように鞄から文庫本を取り出し挟んでいた栞を抜く。
えーどんな展開だったかなと思い出そうとしたところで、対角線上に座る雪ノ下からの視線を感じた。
首だけをそちらに向けると、何か言いたげに、所在なさそうな様子でこちらをじっと見ている。
こいつがこういう、もじもじした様子ってあんまり見ないな……。
不覚にもちょっとカワイイとか思っちゃったよ。これがまさかギャップ萌えってやつか。本人には絶対に言わないよ?
言ったら何されるかわからんし怖いし。
「……なに。どしたの?」
はっ、と一瞬だけ目が見開かれた。少し視線を外して、ぽそっと呟く。
「いえ、大したことではないのだけれど……怪我はもう大丈夫なの?」
瞬間的に、保健室でマラソン大会で出来てしまったキズの治療中の出来事を思い出してしまう。
至近距離で、お互い触れそうな距離で見つめ合った、2人だけの空間。
気恥かしくて、視線をやや右上の方に逸らしてしまった。
「あー筋肉痛はあるけど、だいぶ良くなったな。擦過傷が風呂に入った時に少し痛むくらいだ」
あかん。雪ノ下の方を直視できない。努めて何にもないように、平静を装って答える。
雪ノ下は胸を撫で下ろしたような、そんな安心したような表情を見せながらも俺にちくりと一言攻撃、もとい口撃してくるのは忘れない。
「そう、それは良かった。やはり再生能力が高いのね」
「おい、それどういう事? 暗に俺がゾンビみたいって言ってるの?」
「いつもそう言っているじゃない?」
きょとんと小首を傾げて笑いかけるな勘違いしちゃうだろうが。
話の内容的には色気も何もあったもんじゃないんですがね。何となくいつもの調子が戻ってきたように思う。
横で見ている由比ヶ浜は「むーなんか良いふいんき」とか言ってるし。
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