過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「オカエシ」
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5:名無しNIPPER
2015/06/16(火) 00:20:46.90 ID:aPcBsalpO
「はい、楽様、あーんしてください」
「う、あ……あーん……」

ふうふうと冷まされてから、ずずいと差し出されたお粥。
恥ずかしいことこの上ないが、考えてみればこの前は逆の立場で自分がやっていたことだった。

あの時は万里花が照れなかったために楽自身も意識することは無かったが、いざやられる側になってみると、これは恥ずかしい……!

「ん……美味い!」

お見舞いのお粥にはいい思い出が無かったが、その記憶が塗り替えられそうな気がする。
風邪を引くとたいてい味覚がおかしくなってしまうが、そんなことを感じさせないほど豊かな風味が口の中に広がっていく。

「ふふ、特別にお出汁をとって入れてみましたの。消化に悪いものは入れてませんから、安心して召し上がってくださいね」
「お、おう……」

二口目、三口目と運ばれてくるお粥。楽は照れながらも食べていたのだが、ふと、万里花の顔も少し赤くなっていることに気がついた。

「おい、橘、お前なんだか顔が……」
「はっ……!」

万里花の頬がみるみる間に染まっていく。
どうやら、あーんをする側の万里花も内心、恥ずかしさを堪えていたらしい。

「な、なんかいつもと立場が逆だな」
「そ、そがん事言わんでくれんね!」

照れ隠しなのか、楽の口にお粥ごとレンゲがほとんど根元までねじ込まれた。


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