23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/16(火) 00:33:30.63 ID:rcfS4V6Mo
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まるで大事な書類にサインをするかのように、問題集への回答をゆっくり書いていると、筆圧に耐えきれなくなったシャープペンシルの芯がぱきん! と割れて、ちかちかとノックをすれば中に芯が入ってないことに気づきました。
替え芯をすっと補充して、しかし続きは書かずにペンを置きます。代わりに、充電器から携帯電話を外して手に取りました。
問題集に取り組む集中力など、今日の私は持ち合わせていないのです。気になるのはこの電話のことばかり。
最初の電話が、櫻子から私へのもの。
その翌日が、私が間違って櫻子にかけてしまった恥ずかしい電話。
そしてその翌日、つまり昨日は、櫻子からの “お返しの電話”。
今日は四日目……ここまでのことを考えれば、私が電話をかける番です。
しかし、今日の電話は今までとは少し違います。もし今日電話をかけるとしても、この電話には何の意味もないのです。
なのに私は、今朝からずっと電話のことが気になっています。何を話そうか、何時にかけようか、そればっかりを気にしていました。
目を閉じて、自問自答を繰り返します……一体これはなんの電話? もうお返しという手は使えません。一度お返しを使った人がまたお返しをするのは変です。
というか私は、なんでこんなにも櫻子に電話をかけたいと思っているのでしょう……?
思考回路がパンクしそうになり、一度携帯を置いて楓の髪を撫で、そのまま隣に敷かれている私の布団に寝転がりました。
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