28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/16(火) 00:37:57.75 ID:rcfS4V6Mo
「なに? 電話って」
「ん? べつにー」
櫻子は不思議そうにしている撫子さんに含み笑いを見せると、「じゃーねーおやすみー」と手を振って、家の中へときびすを返しました。
撫子さんも「おやすみ」と言って、櫻子の後についていきます。二人が玄関の中に入っていなくなってから、私もゆっくりと窓を閉めました。
「…………」
両肩が少しだけ持ち上がるような、不思議な気持ちの高まり。ここ数日の楽しみにしている、静かで楽しい心地よさ。
その想いが、緊張がほぐれる安心感と混ざり、言いたいことを言えた小さな達成感が沁みわたってとけていって、心から安らかになれた私は……もう一度毛布の中に身体を滑らせました。
不思議な電話のやりとりは、今日も繋げることができました。
正しく電話はしていないけれど、ちょっとしたお話ができればそれは同じこと。なにより「電話しなくてもいい?」と聞いて、「いいよ」と言ってくれたのは櫻子の方。
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