4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/16(火) 00:18:24.44 ID:rcfS4V6Mo
「この前も言ったでしょう、携帯を携帯しなくてどうするんですの。緊急の用事とかあるかもしれないのに」
「私に緊急の用事がある人なんていないよ〜」
「……私がノート返してって言ったときは、少し緊急だったんですけど?」
「そうなの? それなら今度からノート返して欲しいときは最初からうちに直接来てよ。そのほうが私も楽だから」
「なんでノート貸してもらう側が楽をしようとしてるんですのよ……」
特別なことなど何も無い、いつものようなやりとり。登下校中にするような、普段の調子の日常会話。
気づかないうちに私の声量もあがってきた頃、楓がころんと寝返りをうちました。そこではっと我に帰ります。
「あっ……いけない、楓が起きちゃいますわ」
「あー、ごめんごめん」
「じゃあ、特別な用事はないんですのね? それならもう切りますわよ」
「ないない。じゃーねー」
電話はぷつっと切れました。向こうからかけてきたのに、先に切るのも向こう側とは。ほっと呆れながら、携帯電話をロックして机の上に置きました。
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