1:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:29:22.16 ID:7eR6gT9DO
「ん……、今何時だい?」
まだ完全に開ききっていない瞼を擦りながら、一つの質問を投げかけた少女。
二宮飛鳥。
エクステをつけた独特のシルエットに、思春期特有の痛い発言が魅力のアイドルだ。
飛鳥は、レッスンを終えた午後3時、三村かな子がマカロンを貪るのを傍目に、束の間の休息をとっていた。
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:29:57.89 ID:7eR6gT9DO
「P、ボクは珍しく夢を見たよ」
夢
「少し悲しく、切なく、でも最後は幸せが待っている。そんな夢を」
3:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:30:32.63 ID:7eR6gT9DO
「キミは、突然目が見えなくなったらどうする?」
「唐突にどうした」
「他愛もない会話さ、深く考えずに答えてくれていい」
4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:31:01.79 ID:7eR6gT9DO
「急にこんな話をしたことに、特に意味はないよ」
「ただ、日常なんて気にもとめない日々の連続で、時には退屈なこともある」
「話し相手が欲しかったと言えばいいかな」
5:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:31:33.02 ID:7eR6gT9DO
薄暗い景色に、信号機の赤い光が射す。
「珍しいね、キミが寮まで送ってくれるなんて」
「最近は物騒でな」
6:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:32:10.16 ID:7eR6gT9DO
翌日もまた、飛鳥はレッスンを終え事務所で過ごす。
「キミは夢をみるかい?」
「最近は見ないな。現実を見せられているからな」
7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:33:18.87 ID:7eR6gT9DO
「聞かれたからには答えないとかな」
「多くの人は、見た夢を忘れる」
「ボクもその数多の一人さ」
8:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:33:59.02 ID:7eR6gT9DO
「昨日色々と言ってたじゃないか」
「中身は覚えていなくとも、雰囲気ぐらいは覚えているものさ」
「あー、確かに」
9:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 01:34:52.48 ID:7eR6gT9DO
…………
……
夢の中身は覚えていない
でも、夢に見たものは、ボクが夢に見たものだったことは、思い出せる
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