過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
1- 20
15:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 20:56:49.53 ID:XL12Gej+0
◇◇◇

「西木野先生、ちょっと矢澤さんのことで気になることが……」

翌日、外来の合間に私に声をかけてきたのはにこちゃんを担当する言語療法士だった。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 20:58:05.90 ID:XL12Gej+0
「夜と……虹?」

「この前、行きたい場所や見たいものは?っていう質問をしたんです。そうしたらこの二つを指さして……」

彼女が見せるのは、絵文字盤の黒い背景に星がまばらに描かれた夜空のアイコンと、青空を背景にした虹のアイコン。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:00:57.68 ID:XL12Gej+0
◇◇◇

何日か後の夜。

「夜空に架かる虹、ねぇ……」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:04:18.03 ID:XL12Gej+0
◇◇◇

「夜空に架かる虹?」

病院の近くのファミレスに呼び出してそんな質問を投げかけた私に、希は小首を傾げてみせた。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:05:15.99 ID:XL12Gej+0
にこちゃんが倒れたときは、みんなにとってもちょうどそれぞれの道に進みつつある微妙な時期だった。
そのせいもあるのだろう。
これだけ音信不通なのはおかしいと思っているかもしれないが、それぞれの距離が遠のいたせいか、遠慮しているのか。
こうして彼女の話題が出ることすら本当に久しぶりのことだった。

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:06:38.44 ID:XL12Gej+0
「確か、南の方の島だと見えるって聞いたことあるなぁ。空気が綺麗で、スコールがざぁーって降って、真ん丸なお月さんが夜空を照らすと……」

さすがに希は博識だった。
μ'sの中では絵里の次に海外歴が長く、今は在宅の翻訳業をやっているだけのことはある。
ただ、私が聞きたいのはインターネットでも分かるような知識ではないのだ。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:07:38.29 ID:XL12Gej+0
片側に垂らした髪を三つ編みにし、ざっくりしたニットの上からストールを羽織った格好の彼女は、かつての高校の制服を着ていた時と同じ大人びた目で私を見つめる。
以前と違うのは、かつてはミステリアスな深みをたたえていたその瞳が、今はどこか諦めたような暗さを感じさせる点だった。

「残念だけど、何でもお見通しの神秘のパワーは品切れなの。ごめんね」

以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:08:40.34 ID:XL12Gej+0
「タロットのカードは何も予言なんかしてない。アレはただの記号よ」

「もし私に不思議な力があるように見えたのなら、それは……私がμ'sのみんなの事が大好きだったから。ずっとみんなを見ていて、みんながどうしたいのか、どうすれば一番幸せになれるのか……いつもそればかり考えていたから」

「私たちがバラバラになってしまった今では、もう神通力は使えないの。マジカル少女希ちゃんは閉店休業、……なんよ♪」
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:10:20.55 ID:XL12Gej+0
「にこっちが何を考えているのか、本当に分かってあげられるのは真姫ちゃんだけじゃないかな。だって、一番一緒にいるんでしょう?」

「それはそうだけど……」

問題は、私に人の気持ちをおもんぱかるだけの資質があるのかということなのだ。
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:13:32.04 ID:Uv2wZz1J0
◇◇◇

「夜に虹ぃ?そんなのホントにあるの?」

出されたおしぼりで手を拭きながら、目を丸くする凛。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:14:16.63 ID:Uv2wZz1J0
◇◇◇

「うーん……真姫ちゃんとハワイ旅行に行きたい、とか?」

まだジョッキに半分近くも残ったビールを前に、凛は唸るような声を上げた。
以下略



103Res/68.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice