過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
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46:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 21:54:32.64 ID:Uv2wZz1J0
◇◇◇

大学病院の病棟のカンファレンスルーム。

プレゼンテーションを行う私に、医局員たちのいくつもの冷たい視線が突き刺さる。

無理もない。
かつてローテーション中にドロップアウトしたひよっこの女医が、治療のために患者を連れて戻って来たのだ。

でも、その程度のプレッシャーに構っている余裕などない。
教授を初めとする上級医が揃ったこの場で、私は何とかしてにこちゃんを治療する正当性を認めさせなければいけないのだ。

通常、完全に血流が途絶えて脳梗塞──壊死を起こした脳組織は二度と回復することはない。
そのため、一旦固定した後遺症は決して治らないというのが常識だ。

しかしにこちゃんの場合、一時的ではあるものの歌うことができるほどの言語機能が残っていた。
完全に脳梗塞を起こしているのなら、これは絶対に有り得ない。

そこで最新の脳血流と代謝を計測する画像検査を行ってみたところ、やはりにこちゃんの言語と運動機能に関わる部分の脳は、まだ生きているということが分かった。
十分な血液と酸素が届かないために活動が抑えられ、その結果として、いわば冬眠のような状態にあるというわけだ。

──だったら、脳の組織にそれを補う十分な血液を送り込んでやればいい。そうすれば、にこちゃんは再び自分の足で歩き、元通りに喋ることすらできるようになるかもしれない。


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