過去ログ - 真姫「にこちゃんと夜空に架かる虹を見るわ」
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/17(水) 20:37:19.84 ID:XL12Gej+0
プツッ。

画像と音が途切れるのと同時に、にこちゃんが振り向いた。

「……っっ!」

言葉にならない抗議の声をあげて、細い両腕で掴み掛かってくる。
その力が、悲しいほどに弱々しい。
決して強くないはずの私の細腕でも、たやすく押さえ込んでしまえるほどに。

「う……うう……」

「ごめんね、にこちゃん……」

私は、そのまま暴れるにこちゃんを抱きしめた。

「でも、もう私たちは昔の私たちじゃないの。分かってるでしょ……?」

もはや、私たちが眩いスポットライトや割れんばかりの喝采を浴びることはない。
夢見る季節は、願えば想いは叶うと信じていた時期は、既に過ぎ去ってしまったのだ。

「いい加減に過去は忘れて、前に進まなくちゃ。そうでしょ、にこちゃん……」

それでも、答えはない。
それは、にこちゃんのせいではない。
彼女はもう、喋ることができないのだ。


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