2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:14:49.01 ID:uKujrCn5O
私はそういう時ってとりあえず目を瞑るんだ。
そうして自分の深い深い記憶の山から。
一つずつ、一粒ずつ、色んな色を探し出すの。
たのしかったこと、寂しかったこと、悔しかったこと、悲しかったこと。
3:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:15:58.72 ID:uKujrCn5O
だけど、光があったら必ず闇もある。
それは別に私に限ったことだけじゃなくて。
ようはそんな色を探している最中に邪魔してくるやつ。
私が一番嫌いなやつ。
4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:17:18.59 ID:uKujrCn5O
そうだね。
見た目は完全な化物かな。
体中に目がたくさんついてて、筋張った筋肉だけで、見るからに骨はなさそう。
「余計なお世話だよ」
5:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:18:54.96 ID:uKujrCn5O
「…」
うわきも。
「眠れないときに、その山に入り込むのは頂けない」
6:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:20:19.48 ID:uKujrCn5O
私は眠れないときに記憶の山から、私が私であるという色を取り出していく。
多分私が思うに、こいつは私が覚えているのに、思い出したくない部分じゃないかなと。
思うわけだが。
7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:22:18.82 ID:uKujrCn5O
浮かんで、沈んで。
そうしてその浮遊感になれた頃に、その山へと一直線に向かう。
大抵は浮かんだり沈んだりしてるともうその時点で眠くなったりもする。
だけど、こんな日は。
8:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:24:34.68 ID:uKujrCn5O
どこへ行くのかは、分からない。
ただ、この真っさらで障害物のない道をただひたすらに進んでいくことで。
私は、今度は色じゃない。
音で、私自身を思い返す。
といっても、小鳥のさえずりとか小川のせせらぎとかそんな洒落たものじゃない。
9:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:26:53.23 ID:uKujrCn5O
そうやって、ただひたすらに歩いていくと、今まで出会ってきた人に出会ったりする。
大学の先生だとか。
中学の時の友達だとか。
小学校の時の近所の餓鬼大将だったりとか。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:28:41.79 ID:uKujrCn5O
「なぁ、早く眠れよ」
別にあんたにとやかく言われることじゃない。
私は私の好きなときに眠って好きなときに起きるんだ。
11:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:30:47.19 ID:uKujrCn5O
ふぅん、こうして見ると、私って案外平凡な人間なんだね。
何の刺激もなく、何の衝撃もなくて。
そしてそんな人生に対して「幸せ」っていう価値観を持ってる。
なるほど、なかなか。
12:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 10:33:42.71 ID:uKujrCn5O
幸せってなんだろう?
刺激があることが幸せなんだろうか。
平凡なことが幸せなんだろうか。
眠れない時は、この道に沿ってそんなことばかり考える。
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