過去ログ - 【咲-Saki-】咲「お姉ちゃんまでプラマイゼロをやりだした」3
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120: ◆jBL8Qe1.Ns[saga]
2015/07/08(水) 16:29:46.62 ID:pUBf3nqV0

京太郎「咲……」

咲「……」


これで何度目だろう、この幼馴染が今の私を心配して声をかけてくれるのは。
さっきの天和を見て私がだまりこんでから、少なくとも10回は声をかけてくれたと思う。
この優しさ、人の良さが彼の一番の魅力。顔とか運動神経が悪かったとしても、私は彼を好きになっていたと確信している。
けど、今の私には彼の声に応える余裕がなかった。天和を和了る能力、それをどうやって破るかということに思考力のほとんどをつぎ込んでいるからだ。

答えは全く見つからない。手がかりすら思いつかない。
賽を振ってから和了るまでにそれを止めるための介入の余地がないのだから、止める手段などそもそもないのかもしれない。


京太郎「なあ、咲……」

咲「んっ……」


彼は私の反応がないので強硬手段に出たらしい。

肩を掴まれた。
デリカシーのない彼のことだから、このまま肩をゆするなりして無理やり私の意識をそちらに向かせる気なのだろう。

それはそれで構わない、答えの出ない問いをいつまでも続けていても仕方ないので、いいきっかけだと思う。

ただ、それで一時的に反応を得ても、私はすぐに同じことを考えて思考の迷路に入り、再び沈黙して彼を心配させてしまうだろう。
そう思うとなんだか申し訳なかった。


咲(って、あれ? なにもしてこないなあ……どうしたんだろ?)


違和感を感じて、意識を彼に向ける。
それとほぼ同時に、彼の右手が私の肩を離れて顎に伸びて来た。
顎を持ち上げられて、私の顔は上を向く。ちょうど、彼の顔と正対するぐらいの向きだ。


京太郎「なあ、咲……いいよな?」


言いながら、彼、須賀京太郎の顔が近づいてくる。
いいよな、と言われても、何の事だかさっぱりわからない。


咲(この状況から考えて……え? ええっ!? ま、まさかそういうことなの!?)


心臓が跳ねる。
「それ」を意識した瞬間に顔が熱を帯びて、体全体が火照ったような感覚に襲われる。
おそらく、鏡を見れば耳まで真っ赤になった自分の姿が見られるだろう。

何がどうなっているのかわからないが、今目の前で起きていることを自然に解釈すれば、彼がしようとしているのは「それ」しか思いつかない。



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