過去ログ - 原田美世「……迅帝？」　【モバマス×首都高バトル】 -SS速報VIP

過去ログ - 原田美世「……迅帝？」　【モバマス×首都高バトル】

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1:1[saga]
2015/06/20(土) 19:34:17.51 ID:AnD1eOl70

諸注意。

・モバマスと首都高バトルのクロスＳＳになります。

・とは言いつつも、色々な要素が混ざってます。

・首都高バトル側のキャラクターは、ほぼオリジナルに近いです。

・地の文あり。かなり長いです。

・このＳＳの演出の様な走行は、絶対に真似しないでください。捕まります。

・ダーチャンの演出に、好みが別れると思いますが、そこは見逃してください。

最後に。原田美世は可愛い。そして、かっこいい。

では、お楽しみください。

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2:１
2015/06/20(土) 19:35:11.15 ID:AnD1eOl70

序章

　かつて、首都高に伝説を作った走り屋が存在した。
　彗星の如く現れた、ベイサイドブルーのＲ３４スカイラインＧＴ－Ｒは、それまで最速と謳われた首都高ランナー達を次々と撃墜していく。

3:１[saga]
2015/06/20(土) 19:36:08.45 ID:AnD1eOl70

　石川県の車屋の娘に生まれ育った原田美世は、ガキの頃から車とスピードに魅せられていた。

　誕生日プレゼントに欲しい物を聞かれれば、ウサギのお人形さんよりも、スポーツカーのミニカーと答える。自転車で走れば、下り坂で思いっきりかっ飛ばし、転んだ挙句に傷だらけで泣きながら帰ってくる。

4:１[saga]
2015/06/20(土) 19:37:17.12 ID:AnD1eOl70

　１０歳の頃、両親と共に西日本ジュニアカート選手権にチャレンジを始める。

　有力チームには属さず、あえて家族だけで挑戦するプライベート参戦の形を取った。ドライバーも監督も、メカニックもスポンサーも、エントリーチーム名も、原田一家。一家総出のチャレンジだった。

5:１[saga]
2015/06/20(土) 19:38:47.49 ID:AnD1eOl70

　そんな、１５歳になったばかりの秋の事。
　原田家には、ある珍客が訪れていた。

　その男は、名刺を出しながら、３４６プロダクションのプロデューサーだと名乗った。

6:１[saga]
2015/06/20(土) 19:40:22.24 ID:AnD1eOl70
一章　追撃のテイルガンナー

　３４６プロダクション本社ビルから、車で数分。倉庫街に立派とは言えない店舗を構える、内藤自動車。
　従業員二名の小さな自動車整備工場は、３４６プロダクションの社用車の整備等の面倒を見ている。

7:１[saga]
2015/06/20(土) 19:41:33.68 ID:AnD1eOl70

「おっし。そんなら、そのままシャワー浴びて、納車と一緒に上がりで良いぞ」

　内藤自動車の店主である内藤健二は、美世にそう言った。

8:１[saga]
2015/06/20(土) 19:42:40.15 ID:AnD1eOl70

　汗と埃にまみれた体を、熱めのシャワーで流す。

（……アイドルは続けるつもり。だけど、あたし自身はアイドルって柄じゃないんだよなぁ……）

9:１[saga]
2015/06/20(土) 19:43:48.06 ID:AnD1eOl70

　ＰＭ１１：５０。

　都会の夜は明るい。眠らない街とは良く言ったもの。

10:１[saga]
2015/06/20(土) 19:44:44.04 ID:AnD1eOl70

　内藤は、その様子を見つめる。それは、若かりし日の自分と姿を被らせていた。

（……あの頃もそうだったよな。憧れのアマさんに、昼はメカでしごかれ、夜は走りでしごかれる。コイツの趣味は、アイドルには向いてないよなぁ……）

11:１[saga]
2015/06/20(土) 19:45:58.30 ID:AnD1eOl70

　日付が変わり、０：４２。
　平日の深夜は、タクシーと長距離トラック程度。昼間の渋滞が嘘の様に空いている。

12:１[saga]
2015/06/20(土) 19:47:10.94 ID:AnD1eOl70

（……行くよ！！）

　美世は蹴っ飛ばす様にクラッチを切り、右足を連動させてアクセルを煽り、エンジン回転を合わせる。５速から３速へギアを叩き込まれると、タコメーターは５０００ｒｐｍを指している。

13:１[saga]
2015/06/20(土) 19:48:23.71 ID:AnD1eOl70

　法定速度で巡航する一般車両を、縫う様に追い抜いて行くＲ３３とＦＣ。超高速のレーンチェンジを繰り返し、アクセルを床まで抜みつける。

「結構煮詰めてるが……まだまだだな」

14:１[saga]
2015/06/20(土) 19:49:19.29 ID:AnD1eOl70

　４速８０００ｒｐｍ。速度は２２０ｋｍを越え、５速にシフトアップ。
　Ｒ３３のマフラーから、アフターファイヤーが噴き出て、ＦＣのバンパーにかすめる。

「……ほれほれ。そのデカいケツを、突っついてやろうか？」

15:１[saga]
2015/06/20(土) 19:50:23.08 ID:AnD1eOl70

　ミラーから光が消え、ロータリーのエキゾーストノートが左から耳に飛び込む。

（……やっぱり……速い）

16:１[saga]
2015/06/20(土) 19:51:21.83 ID:AnD1eOl70

　デジタル表示の追加メーターを、美世はチラリと見る。
（……水温９６……油温１２７。…………行ける）

17:１[saga]
2015/06/20(土) 19:52:03.15 ID:AnD1eOl70

　湾岸線下り方面、大井パーキングエリア。
　周囲に停車しているのは長距離輸送のトラックが２台だけで、Ｒ３３とＦＣ３Ｓは明らかに浮いてる。

18:１[saga]
2015/06/20(土) 19:53:04.14 ID:AnD1eOl70

　翌日。ＡＭ９：０３。
　結局３時過ぎまで起きていた美世は、携帯電話の着信で叩き起こされた。

19:１[saga]
2015/06/20(土) 19:53:49.38 ID:AnD1eOl70

　正面玄関からすぐに曲がって、応接室に直接乗り込んだ。
　サングラスを外してから、ドアを開ける。

20:１[saga]
2015/06/20(土) 19:54:56.44 ID:AnD1eOl70

　手を合わせた瞬間に、美世は感じ取った。

（……只者じゃない）

21:１[saga]
2015/06/20(土) 19:59:01.31 ID:AnD1eOl70
二章　美世のお仕事

　自宅のアパートに帰って、美世は布団に寝っころがった。
　ぼんやりと宙を見ながら、緒方に言われた条件の内容を思い返していた。

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