29:1[saga]
2015/06/21(日) 14:40:07.41 ID:63N/H6ww0
「ふぅ、やっと半分か。疲れたー」
「もう、だめじゃない。妹が頑張ってるのに兄がそれじゃあいけないでしょ。」
「まぁ、コトミは俺よりも大人びている時があるからなー。」
実際そうなのだから仕方ないだろう。単純な年齢だけでも倍違うし、経験した場数なら、もっと違うだろう。
仕方がないことなのだ。決して疎外感を感じてるわけではない。断じて違う。
「スズさん、後どれくらいで終わりそうですかね。」
「うーん 後はもう大きなレポートはもうないから、もうひと頑張りってとこかしら。あっ これはあのファイルがないと。」
あれは届かないだろうな。必死に棚にあるファイルを取ろうとしているが身長が全く足りてない。あれではコケて怪我するのがオチだろう。
「手出し無用ー!!、う〜」
「そんな野暮な真似しないよ。俺が、椅子の高さを合わせるからさ、手伝いくらいいいだろう?」
何だか嫌な予感がしてきたな。長年の勘がそう告げる『エピタフ』で一応確認しておくか。
『エピタフ』とは、我がスタンド『キング・クリムゾン』の能力の一部で
十秒先の決して変わることのない未来を見ることができる。これだけでは微妙な能力に聞こえるかもしれないが、これが無ければ『キング・クリムゾン』時を吹き飛ばす能力の真価を発揮することができない。重要な能力の一つだ。
『エピタフ』に映し出された姿は、萩村が兄を押し倒している姿だった。
まずい。絶対にそれだけじゃあ済まなくなる。早く『キング・クリムゾン』を発動させなくては、
その瞬間、落下音が聞こえてきた。数々の修羅場を乗り越えてきた冷静(と自負している)頭をフル活動して導き出された答えは間に合わなかったという ただ単純な、一つの答えだった。
「津田君たち〜、ご飯食べていかないー」
萩村母が あら、といった顔で静止している。頼む 面倒なことは起こさないでくれ
「あらー、スズちゃん達はもう満腹か〜・」
そんな願いも空しく、とびっきりの爆弾は落とされたのだ
「「もっとするべき発言あるだろー!!!」」
やっぱり面倒なことになったか。そう思いつつも溜息をつかずにはいられないのだった。
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