過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:11:59.46 ID:EUGrH/Tp0
「ああ、実はうちの組のものが最近できたばかりの結婚式場で働き始めてな……」
その組員はコワモテながら、ウエディング業界で仕事をするのが夢だったらしい。
どんな転職活動をしたのかは不明だが、念願叶って結婚式場の仕事に就いたその彼が楽に頼みごとをしてきたのだという。
オープンしたての式場をPRするため、挙式のイメージ写真を撮影してパンフレットを作りたいが、モデルを雇う予算がない。
そこで、楽とその知り合いの女の子にそのモデルを頼めないだろうかと、直々の依頼が楽の元に舞い込んで来たのだった。
「どうにかしろって上司からせっつかれてるらしくてさ。せっかく夢が叶ったわけだし、力になってやりたいと思って」
「ふふ、楽様らしいですわね」
困っている人を放っておけない彼の優しさ。自分はこういうところが好きなのだとあらためて確認し、万里花はじんわりと胸が暖かくなるのを感じていた。
「でも」
だからだろうか。
そんな彼に、少しだけイジワルな質問をしてみる気持ちになったのは。
「どうして楽様は私をお誘いになりましたの?」
「えっ!? そ、そそ、それはだな……」
予想通り、顔を赤くして慌てる楽。本当に可愛い人だと万里花は思う。
「こ、今回用意されたドレスのサイズがちょっと小さめらしくてな。身長が150cmぐらいが丁度いいらしいんだよ。だ、だからお前に……」
「あら、それなら宮本さんでもよろしいのでは? それに、小野寺さんの妹さんでも。そういえば彼女は文化祭のミスコンで着たウエディングドレスもすごくお似合いでしたし――」
万里花がちらと楽の様子を伺うと、真っ赤な顔で目を泳がせながら何か理由を捻り出そうとうんうん唸っている。
少しやり過ぎましたかしら。万里花が声をかけようと思ったその時。
「お、俺はさ、橘だったらすげえ似合うんじゃないかと、そう思ってだな……」
「!?」
思いがけぬ言葉に今度は万里花が沸騰する。
「だからその……ど、どうだ、手伝ってくれねえか?」
そっぽを向いて、照れながら。まるでデートの誘いのように。
「らっくんは時々そがん風にいきなり恥ずかしいことば言いよるけん……ずるいばい……」
万里花の小声での呟きは楽には聞こえない。
ふう、と深呼吸して気持ちを落ち着けると、万里花はとびきりの笑顔を浮かべて言った。
「楽様のためです、私、喜んで一肌脱がせていただきますわ!」
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