過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「ハナヨメ」
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7:名無しNIPPER
2015/06/20(土) 23:17:22.71 ID:EUGrH/Tp0

「ねえ、ダーリン。何だか最近忙しそうじゃない?」
「えっ?」
ビクリとしてしまった、だろうか。桐崎千棘は怪訝そうに楽の顔を見ている。

実はあれから数日というもの、週末に向けての準備を整えるという万里花に毎日放課後連れ回されていたのだった。
一昨日は美容室、昨日はネイルサロン。
今日に至っては万里花はまだ学校に来てすらいなかった。
一体どこで何をやっているのやら。

バイトの話を持ちかけたのは自分なだけに無下に断るわけにもいかず、付き合ってはいるものの、髪型やネイルのデザインに意見を求められても返答に窮してばかり。
何もいい言葉が思い浮かばずに結局「いいんじゃねえか」なんて気の利かないことばかり言ってしまうにも関わらず、その度に万里花がもの凄く嬉しそうにするものだから、楽は申し訳ないやら照れくさいやら、何とも胸が痛む思いをしていた。

「ち、ちょっと、バイトをしてるんだよ。うちの組員が新しい仕事を始めたもんだから、週末まではその手伝いが忙しくてな」
何となく万里花のことは伏せてしまう。

「ふーん……でも、その割には何か楽しそうよね、あんた」
「そ、そそ、そんなことはないぞ!?」

端から見たら、自分はそんなに楽しそうにしていたのだろうか?
確かに、何てことのない些細なことでも、自分と一緒であるということだけで心底楽しそうな様子の万里花を見ていると……悪い気はしない。
でも、俺はあくまでもバイトの手伝いとして……。



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