過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part3
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56:名無しNIPPER[sage]
2015/06/29(月) 10:19:04.73 ID:/xZ1Bd+GO

>>52『イタズラの結末』


子どものころ、俺には好きな女の子がいた。

大人しくてちょっとしたことで涙を目に浮かべるその子の事が気になっていた俺は、子どもによくありがちなイタズラをして気を惹かせようとしてた。

髪を引っ張ったりドアに黒板消しを挟んでみたりと、挙げれば枚挙にも及ばない。
今思い返すと完全に黒歴史で頭を抱えたくなる程に。
子ども心でも、それは確かに恋だった。


イタズラを始めてちょうど一年……あの子は引っ越して遠くに行ってしまった。


親や先生が何も言ってこないという事は俺のイタズラが原因ではないという事は分かっている。
それでも謝ることも想いを伝えることも叶わず、ぽっかりと心の中に穴が空くような虚無感を覚えていった。

そう、それは今でも変わらず。


だからうちの高校に転校して来たクラスメイトが不良の上級生達に絡まれているのを見たとき、面倒臭さを覚えつつも助けようとする事に迷いは無かった。

あの時の罪滅ぼしでもしようってのかな……はは、バカらしい。


「おい、彼女から離れ」



ゴッ、という鈍い音と共に不良の一人が宙を舞った……いや、ブッ飛ばされた。

続いて彼女のサイドを取っていた男は回し蹴りで校舎に叩きつけられ、反対側の男は背負い投げげ地面に口づけをした……それはもう凄い勢いで。

最後に背後からバットを降り下ろそうとした不良をバットごとへし折るかの如く顔面に拳を叩きつけられフィニッシュ。

ああなんて事だ。
腰まで伸びた黒髪に可憐な物腰をした清楚なクラスメイトがこんな地獄絵図を作り出すなんて。


小さい頃に去っていった女の子が彼女だったなんて!

今さらの事実に気づき呆然としている俺に気づいた彼女はにっこりと笑顔を浮かべこちらに近づく。


「ようやく気づきました? 私、貴方が気づくのをずっと待っていたんですよ?」


上目遣い気味に天使の様な微笑みを向けられ意識を取り戻す、あの時の可愛らしさはそのままに成長した彼女に俺は……

腹パンをくらわされ

そのまま拳で持ち上げられ

最初の不良と同じく天に浮かされた。


恍惚とした表情を浮かべる彼女を視界に捉えた俺はそのまま地面にも、恋にも再び墜ちていった。




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