過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part3
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726:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/27(水) 08:34:16.12 ID:YUOd4oBv0
>>662



今日も我がクラスルームは雑音に満ちている。不快な時もあれば、すこし微笑ましく思う時もある喧噪だ

私を含めてキリよく30人で構成された箱詰めの群れ

同じようなものが、確か他に17つはあったか


( 少子化ちゃんは他所でいそがしい。こちらはむえん、と )


愛くるしい少年少女は各々が好ましく思う者との他愛もない話を楽しんでいる


( いつも通り、いつも通り )


無論、全員漏れなく仲良しこよしで固まっているわけでもなく

一人静かに己の世界で過ごす者もちらほらといて


( へえ、料理の本とはまためずらしい。……ふむ、ちょっとむずかしそうなレシピだね )


眼を輝かせて、少女が食い入るように見つめていたもの

写真に写っているのは、今流行りだとかの有名な料理店のものを、ご家庭でも味わえるようにといくらか簡易化した肉料理

その下には材料やら調理手順やらが記されているが、残念ながら大半の漢字は私たちがまだ習っていないものだ

つまり。レシピを覚え、実際に料理しようというのではなく、ただ完成品の写真を眺めて夢想するのが彼女の目的らしい


( 年相応に、およめさんというものにあこがれているのだろうか。可愛らしい )

( …お?ろうかを走っていたみたいだね、図工の先生とはち合わせて男の子がしかられている )

( 良いね。元気なのは良いことだ。あの子もこの子も )

( 人生を楽しんでいる。青春ちゃんたちだ )


窓際最後尾

すぐ後ろにロッカーがあり、移動の手間が少なくて済む。怠け者の私にはなんとも嬉しいこの席で

別段好いてもいない彼らを眺めながら、心温まる私であった

ところで

なんとも平和なことに、ここにはイジメが存在しない

だから

読書眼鏡系無口ガールも、仏頂面なぶきっちょボーイも、ただのアホな空気嫁くんも、今ちょっと思い出すのが面倒臭いエトセトラ達も

誰一人として“ぼっち”ではないし、常に互いを気遣えるような上等且つ無垢な人種で溢れているこのクラスは、案外素晴らしいところだったりする


( む。いじめといえば )


今朝がた見たZ○Pでは、今月に入って629人目の自殺者があったと報じられていたか

星座占いの結果に喜んでいた直後だった

ぶっちゃけ三桁後半にまできた自殺など日常化しつつあって、普段なら気にも留めない私は

遅刻してはいけない、とさっさとテレビの電源を消そうとした。だが消さなかった

というか消せなかったのだ。いや、別に大した理由ではない。ただ珍しかったから


その629人目の自殺者の自害動機が


いじめに因るもの。つまり他者からの悪意に起因するものだったから





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