過去ログ - 八幡「真のぼっち」
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14:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:43:31.71 ID:KKdbAala0
 俺自身放課後の部活棟に足を踏み入れるのは初めてで、授業の有る日中とは全く違う様相を呈する部室棟に探検しているような感覚を味わっていた。

 というか俺はここに連れて来られて何をさせられるのだろうか? 
先程の先生の言動で殆ど正解というか、目的は分かっている。要は俺に友達を作らせる気なのだろう。
しかしだ、友達を作らせる為に部活動? 
まだ4月とは言え学年は2年だ。部活に入るには今更感が有る時期だ。
友達作りに部活動における功績が関係ないのは当然だが、活動が活発な部では人間関係が既にある程度出来上がっているだろう。
俺ならばそういった物を一切解さず我が物顔で割って入る事は出来るだろうが、俺にここまでの気を遣ってみせる平塚先生の事だから、既に所属している生徒にも気を遣ってそういう部には俺を入れないだろう。
では逆に活動が活発でない部活ならばどうだろう。
だが、その場合にも同様に、いや下手をすると活動が活発な部よりも独特で強烈な人間関係が形成されている可能性も有るだろう。
そういった場に自分が投入された場合、場の雰囲気をぶち壊してしまう自分の姿は想像に難くない。
それとも俺はどこかの部に入部させられるのではなく、別の方法で友人を作ることになるのだろうか。
そうなった場合のパターンは……などと考え事をしていると先生は有る教室の前でその歩みを止めた。目的地にあっさりと着いてしまったようだ。

 俺が先生の横まで来ると、先生は一度俺の顔を横目で見た。
その先生の横顔は生徒指導室を出た時から変わらず真っ赤なままだ。
もしかしてさっきの俺の行動ですっかり怒らせてしまったのだろうか。
いきなり悲鳴を上げながら避けられれば誰だっていい気分はしないだろう。
それも自分が善意から働きかけようとしている相手ならば尚更だ。
しかし俺にも言い分は有るのだ。
今更ではあるが、もう一度弁解しておいた方が良いのかもしれない。

「先生、さっきはすいませんでした」

「さ、さっき? はは、なーにきにするな」

「さっきはですね、先生が急に手を伸ばしたんで驚いてしまって。先生みたいな美人と体が触れるなんて考えると、えー、その」

 ははは、なーに言ってんだコイツ相当気持ち悪いな。
いや実際相当自意識過剰だし、何気なく腕を掴もうとしただけの相手がこんな対応をしたら縁を切りたくなるレベルだろう。
先生の顔も赤みが増して、怒りのボルテージが上がったのが一目瞭然だ。
後1年以上もここに通わなにゃならんというのによりにもよって女性教師を敵に回すとは、俺の処世術はもう使いもんにならんらしい。




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