4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 13:31:35.87 ID:KKdbAala0
「で、君はどうしてここに呼ばれたのか理解しているかね?」
対面に座った女性が口に咥えた煙草に火を点けながらそう尋ねた。俺からの答えは当然
「いいえ。そもそも問題を起こさないよう日々大人しく過ごしているつもりですから、今回の呼び出しは完全に予想外でした」
俺のように大人しい生徒は俺の知る限りでも殆どいない。そう断言出来る程度には大人しく生活しているつもりだ。その俺がまさか生徒指導室に呼ばれるとは。放課直前のホームルームで担任教師から呼び出しを伝えられた時の俺の驚愕と言ったら、目の前の彼女に伝えられないのが残念な程だった。それが出来たら俺が本当に驚いていた事を理解してもらえるのだろうが。
しかし、俺の正直な発言にも関わらず目の前の女性の視線には疑惑の影が浮かんでいた。全く正直で誠実でいる事こそを信条としているというのに、こんな視線を向けられることは酷く心外だった。疑問を晴らすため、俺は彼女に逆に問い掛けた。
「一体どういった理由で自分はここに呼ばれたんでしょうか。 夜遊びもせず、それどころかまともに遊びにも行かず、日々勉学と労働に勤しむ自分には全く心当たりが有りません。信号無視すら殆どしない男ですよ自分は」
犯罪行為を疑うなら俺よりも余程疑わしい連中が、俺をおいてこの学校にはゴマンといるはずだ。だというのにこうして生徒指導室に呼ばれる理由とは何なのか。犯罪でなければ進路の話だろうか。
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