52:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 00:45:39.57 ID:yubHZHuA0
おお、危ない危ない。……危なかった、んだよな?
気付いた時には先生の顔が目の前に来ていて何も反射的に飛び退いてしまったが、気付くのがもう少し遅くなっていたら完全に当たっていた。
いかんいかん、シラフでしかも徒歩で交通事故とか洒落にならんよ。
これが妹にでも見られていたらそりゃもう怒髪天を衝く勢いで怒られるが、幸いに目撃者は居ないし、被害者も未遂だ。
さっさと謝って済ませてしまおう。
「大丈夫ですか? 本当にすいません。なんか気持ちよくって前を見てませんでした」
「ききききき、気をつけろ。も、もうすこ、もう少しで……」
部室の前でもないのに振り返っていたという事は、何か俺に話しかけるつもりだったと思うのだが先生は途中で口を噤んで歩みを再開させてしまった。
なんなんだ一体、途中で口篭るなんて先生らしくもない。
それから部室の前に着くまで俺は先生を注意深く見つめ続けたが、先生は俺の不注意を怒るでもなく、先生の用事を言い出すでもなく歩き続け。
終いには昨日2回も言われたはずのノックも忘れて教室の扉を開いたのだった。いや、本当何の用だったんだ先生。
「先生、ノックをしてくださいといつも言っているじゃ……、先生?」
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