過去ログ - 一目惚れ (オリジナル百合)
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9:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 02:07:50.68 ID:ocNNywHg0
あたしは、自分がバカだったことを思い出しながら、
スタッフに愛想を振りまくのを止める。

「ちょっと、話を――」

「あ、ごめん待った?」

「え……」

あたしは耳を疑った。
そして、振り返った。

「ごめんごめん……いこっか?」

スーツ姿の女性が、
優しく微笑みながら半券をスタッフに見せる。
スタッフは咳払いして、

「えっと……5番スクリーンになります」

特に悪びれもなく案内してくれた。
しかし、あたしはそのクソスタッフの対応について、
すでにどうでも良くなっていた。

「いこ」

スーツの女は長い髪を一つにくくり、
それを揺らしてあたしの前を進む。
あたしは呆然と立ち止まっていたが、
映画を見たい、という圧倒的欲望に押されて、
自然と彼女の後を追いかけるように歩き出した。


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