過去ログ - 律子「待ちくたびれたプロデューサーへ」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/23(火) 02:09:49.57 ID:O6N65gcso
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「そういえば、この間、私の誕生日だったんですよ」

 プロデューサーとの軽い打ち合わせを終えてから、私は不意にイジワルをしてみたくなった。
 プロデューサーは寝不足の顔をあっと歪めて、それから頭を下げた。

「ごめん、忘れてた」

「あははっ、そんなことだろうと思ってました」

「今さら遅いけど、なにか……」

「こういうのはね、気持ちが大事なんですよ」

プロデューサーが言い切る前に、私は遮って言った。

「別にいいですよ、忙しいしね。わざわざ、気を使わなくてもいいですよ」

「本当にごめんな」

 そう言って、頭をかくプロデューサーに背を向けて、私はドアを開けた。
 鍔の短い帽子のような屋根のついた玄関口が、雨の垂れるアスファルトの集合体を見つめている。


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