1: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:27:07.77 ID:ZhtooLrt0
アリス「ただいまー!」
忍「おかえりなさい、アリス」
忍「ひとりでお出かけして大丈夫でしたか?迷子になりませんでしたか?」
アリス「迷子になってたら帰ってこれないよ」
忍「ですが小さいアリスひとりでは心配で心配で……」
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2: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:29:37.63 ID:ZhtooLrt0
忍「それで、落語は面白かったですか?」
アリス「うん、とっても!」
アリス「夜の部までずっと聞いてたかったよ」
3: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:30:28.79 ID:ZhtooLrt0
アリス「それでね、新作もあったし色物も面白かったし、でもわたしは古典落語のほうがやっぱり好きかなぁ」
忍「?」
忍「さっきからアリスが何を言ってるのか全然わかりません」
4: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:32:18.45 ID:ZhtooLrt0
アリス「カレンはきっと誘ったら来てくれると思うし、あとは……」
アリス「ねえシノ、アヤは何が好きなの?」
忍「そうですね……綾ちゃんは恋愛小説をよく読んでます」
5: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:34:17.06 ID:ZhtooLrt0
えー、昔から悋気は女の七つ道具なんて言って、シノも女の子なら分かると思うんだけど、
やっぱり女の子だったらヤキモチを焼いたり素直じゃないことを言ったり、そういうこともあると思うんだ。
そんな風にしてると、だんだん相手の気持ちっていうのも分からなくなってくるもので、
「カレン、ちょっと聞いて!」
6: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 21:46:23.01 ID:ZhtooLrt0
「陽子ったらひどいのよ、土曜日に陽子の家に行く約束をしたんだけど」
「宿題が全然終わりそうにないから見て欲しい、って」
「そういえば私も宿題ありマシタ。アヤ、写させてくれるデス?」
7: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:00:05.55 ID:ZhtooLrt0
「……それでね、手伝ってもいいって言ったら『綾はお姉ちゃんみたいだなー』なんて言うの」
「ほほう、皆まで言わずとも分かりマシタ、ラブコメでよくあるパターンデス」
「ラ、ラブ!?」
8: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:02:23.58 ID:ZhtooLrt0
「それでさっき皆で話してるとき、ほら、兄弟が欲しいかって話してたじゃない」
「そうデスネ、アリスが『わたし、シノだったらお姉ちゃんでも妹でもいいよ』って言って」
「そしたらシノが『私も金髪だったらアリスでもカレンでもいいです』って言ったデス」
9: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:05:20.57 ID:ZhtooLrt0
「だって私は陽子にとって姉みたいな存在なのよ?」
「それで兄弟はいらないってことは、私がいらないってことじゃない!」
「ヨーコがそこまで考えてるわけないデス」
10: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:07:22.57 ID:ZhtooLrt0
「もういいわ、私も陽子のことなんて知らないんだから」
「アヤ、そんなに言うならお弁当作ったりしなくてもいいじゃないデスカ」
「食べてくれない相手にお弁当作ったってムダなだけデス」
11: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:08:55.96 ID:ZhtooLrt0
「まあ確かにヨーコはデリカシーに欠けるところもありマス」
「カレン、陽子をそんなふうに悪く言わないで。陽子はいつだって優しいんだから」
「ほら、カレンだって前、陽子の半分は優しさでできてるって言ってたじゃない」
12: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:14:13.14 ID:ZhtooLrt0
「それに陽子だって、私のことをどう思ってるかなんて分からないし」
「フフフ」
「何よ、その意味深な笑いかたは」
13: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:15:42.36 ID:ZhtooLrt0
「そんなこと聞けるわけないじゃない」
「えー、そうデスカ?じゃあ、こういうのはどうデス?」
「これはさるイギリス人少女の話なんデスガ」
14: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:17:59.04 ID:ZhtooLrt0
「で、アリスがどうかしたの?」
「ちょっと前に、シノがぼーっと部屋を歩いてたら、タンスにドシーン!ってぶつかったデス」
「ぼーっと歩いてたって音じゃない気がするんだけど……」
15: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:21:53.63 ID:ZhtooLrt0
「でも逆のケースもあるデス」
「逆?」
「はい、アリスが夕飯の支度を手伝ってる時にフライパンの油が頭に跳ねて、それを見たシノが」
16: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:24:16.73 ID:ZhtooLrt0
「ヨーコが好きなものって何デショウ?」
「陽子は……食べることが好きね」
「フム……だったらアヤ、ヨーコの前で食べ物を持ったまま転んできてクダサイ」
17: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:26:55.28 ID:ZhtooLrt0
ヨーコの家に行く日になって、アヤは早起きしてお弁当を3人分、自分用とヨーコ用とぶちまける用を作って、
ドキドキしながらヨーコの家に行ったの。玄関の前でチャイムを押そうか、やっぱり止めようか、
30分迷った末に意を決してチャイムを鳴らすとすぐにヨーコが出てきて、
「あ、綾。早いね」
18: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:32:14.89 ID:ZhtooLrt0
「そ、そうだ、おべ、お、お弁当作ってきたんだけど食べるわよね!?」
「綾?まだ10時前だよ」
「食べるわよね!?陽子だもの!」
19: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:34:07.21 ID:ZhtooLrt0
「ほら陽子、これがお弁当よ。陽子の好きな」
「それは見ればわかるけど」
「ね、いくわよ……ハァ……ハァ……」
20: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:34:53.70 ID:ZhtooLrt0
「きゃあ!」
「だ、大丈夫!?何もないところで転んだけど……立てる?足ひねってない?」
「よ、陽子……グスッ……」
21: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/24(水) 22:37:21.78 ID:ZhtooLrt0
アリス「元は夫婦の噺だけど、アヤはそういうのも好きそうでしょ?」
忍「4時半に起きられるなんて、綾ちゃんは朝が強いんですね」
アリス「そこ!?それは全然重要じゃないところだよ!」
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