過去ログ - 今日も、我那覇響はアイドルである。
↓ 1- 覧 板 20
12: ◆uOJ/TvTGhw[saga]
2015/06/27(土) 12:52:43.48 ID:Q4dHKF280
親友、貴音そっくりの女性を見て、響は息を呑んだ。リビングから玄関の方を覗いているため、2人の会話はよく聞こえない。響は思わず2人に歩み寄っていった。
「……もう、満足ですか」
「うん、大満足だよ。事務所の皆には、気づかれないかちょっとドキドキしたけどな」
「な、なあ2人とも」
「なんでしょう、我那覇響さん」
「うう、その顔でそう呼ばれると違和感があるな……。その、2人は……これからどうするんだ?」
「どうにかなると思うぞ。こっちに来た時も、気づいたらこっちに居たからな」
「私も、ひびきが居なくなっていることに気づいた翌日にはこちらの世界に。根拠はありませんが、私とひびきが揃えば、元の世界に戻ることになると確信していました」
「そうか……」
寂しげに俯く響に、ひびきは苦笑した。
「そんな泣きそうな顔することないじゃないか〜。ひびきと同じ顔で泣かれたら、ひびきまで悲しくなってくるぞ」
「だって、ひびき言ってたじゃないか。ずっとアイドルになってみたかったって。元の世界じゃ、ひびきはアイドルじゃないんだろ?」
「ん、まあね。でも良いんだ。今日1日、すごく楽しかったから。そうそう、ひびきたちの元居た世界にも春香とか千早にそっくりの子は居たんだけど、美希みたいな子は居なかったから新鮮だったぞ」
「ふふ、私も会ってみたかったですね」
「……響、正直言うと、ひびきもちょっと名残惜しいぞ。2週間も泊めてもらって、毎晩色んなコト話して、響と仲良くなれたのにサヨナラだからな」
「……ひびき」
潤んだ瞳で自分を見つめる響をまっすぐ見つめると、ひびきは背筋を伸ばして右手を差し出した。
「この2週間の響との思い出と、今日1日の事務所のみんなとの思い出があれば、これから何があったってなんくるないさー! さ、お別れは握手にしよう」
「……ああ! 元気でな! ひびき!」
響とひびき、2人のヒビキが固く手を握り合う。たかねは静かに、それを微笑み見つめていた。
「そうだ、響に……これ」
30Res/20.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。