7: ◆W9LNIhXYhlEG[sage saga]
2015/06/28(日) 01:11:53.23 ID:qnI9Zj2e0
魔法少女。
ひとつのお願いを何でも叶えることと引き換えにこの世界の人達を脅かす「魔女」を倒す正義の女の子。
キュゥべえは、そう私たちに説明をした。 海未ちゃんも大方あっているとそれに頷く。
海未「昨日のことは全部魔女の仕業なんです」
そういうと、ことりちゃんはさっと青ざめて俯く。
ことり「ことりね、酷いこと思っちゃったの。だからあれは、別にそんなのとは……でも、ことりあんなにおかしくなっちゃうなんて」
海未「それが魔女です。魔女は人々の不安を煽り、命を絶たせ、それを糧にして生きますから」
穂乃果「…ことりちゃん、何か不安なことがあったの……?」
ことり「っ……」
穂乃果「あ、別に、話さなくても」
ことり「ううん、いいの。…あのね、ことりね、二人と一緒にいていいのかなぁって」
ことりちゃんは、ポツリと漏らすように話続けました。
穂乃果と海未ちゃんと友達でいていいのか、自分はこんなに引っ込み思案なのに二人の迷惑じゃないのかな。
ことり「…って、あはは……ごめんね、おかしいよね」
穂乃果「ことりちゃんは、穂乃果と海未ちゃんの大事な友達だよ」
海未「そうです、そんな、負い目なんて…そんなことを言ったら──」
そう、海未ちゃんは一瞬言葉に詰まって取り繕うように言う。
海未「私達はことりの大事な友人です、ことりだから友達なんですよ?」
その、詰まった言葉に穂乃果はほんの少し違和感を感じたけど、それはことりちゃんが私達にまとめて抱きついてきたことで飛んでいってしまった。
ことり「ありがとう、……ありがとう……」
そう言いながら泣くことりちゃんを、海未ちゃんと二人で抱き締めていたら、キュゥべえが言葉を挟む。
キュゥべえ「あのー…まだ話があるんだけどな」
海未「……キュゥべえ、空気を読んでください」
キュゥべえ「とにかく…穂乃果、ことり。君達は魔法少女になる資質があるんだ。どうかな、海未と一緒に戦ってみない?」
穂乃果「それって、何でも願いを叶えてもらって海未ちゃんみたいに戦えるってこと?」
ことり「ことり、あのね」
海未「………いけません」
冷たい声で、海未ちゃんが穂乃果たちを制した。
海未「穂乃果、魔法少女は忙しいんですよ?普段から課題が出来ていない穂乃果がやれるものではありません。
ことりも、……魔法少女にならなくったってことりは大丈夫ですから」
海未ちゃんは、毅然とした様子でキュゥべえに言う。
海未「二人を誘ったらもう私は戦いませんからね」
キュゥべえ「むぅ……それは困るなぁ」
それなら仕方ないのかもね。
そう言って、キュゥべえはまたね、と言って去っていく。
海未「本当に魔法少女になんてなってもいいことはありませんからね?キュゥべえはしつこいですから、気を付けてください。……もし契約するなら私に相談すること!」
そう、海未ちゃんは言って、この魔法少女のお話は終わった。
その話を思い出したのは………私達が、高校二年生に。
音ノ木坂学園の廃校が、発表された後だった。
魔法少女コスチューム参照:園田海未SR<端午の節句編>
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