過去ログ - 【オリジナル】ぼくのなつやすみSS 〜おばけ森の秘密〜
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/06/28(日) 19:53:33.25 ID:+2WXgypc0

・・・もう20年も前のことになる。

小学4年生だった私は、父の車に乗って中部地方にある伯父の家に向かっていた。

都会に住んでいたためか車窓の移り変わる緑の景色にただただ目を奪われていた記憶がある。

夏休みが終わると私は、父の仕事の都合でイギリスに行くことが決まっており、両親がイギリスでの住宅を探す夏の間、父の生家である父の兄の家に預けられることになっていたのだ。

だから、私は少しの不安と、たくさんの期待を持って、日本で過ごす最後の夏を謳歌しようとしていたのかもしれない。

車のラジオから流れるその年の流行歌が言うように、私は夏という新しい季節に少し切なさを覚えていた。

緑を抜けると、車は眼下に広がる盆地の中の町を眺めながら、再び山沿いの道を進んでいった。

そしてしばらくすると、速度を落とし、大きな家の門をくぐった。


その夏は、私にとって一生忘れられない夏になった。




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