過去ログ - 奉太郎「高く高く、空に昇れば」
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8:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:06:20.66 ID:BVZ5thB50
「知ってるさ福部、だがおまえは三年生のはずだろう。ここにいる必要はない」

「すみません。私が来るようにお願いしたんです」

いずるが立ち上がってこうべを垂れた。

「勉強教えてほしくって」

机を差し示した。加上教諭は教科書とノートが置かれている机といずるを交互に見つめる。

眼鏡の奥の細い目が、刃のように光っていた。

「下校前にはさっさと帰れよ」

いずるの弁解に納得したのか、そっけなく言って踵を返す。

戸が閉じるとしばらく間をおいて、いずるが安堵の息を吐いた。


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