過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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328:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:05:03.60 ID:RYx/9kaJo
「聞いてもいいのか、よくわかんないんですが……」
こんな言い方をされるということは、もうほとんど概ね大体聞かれて嬉しいことではない。聞かないほうがいいに違いない。
「じゃ、聞かないでくれ」
329:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:05:59.98 ID:RYx/9kaJo
「されてるわけねぇだろ」
「じゃあなんの話だったんですか?城廻先輩ずいぶん意味深な感じじゃありませんでした?」
「それはそうなんだけどな……。なんかお礼言われただけだ。お前が思ってるようなことはなんもねぇよ」
330:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:07:23.39 ID:RYx/9kaJo
「……ふーん、そうですか。わかりました。とりあえずそういうのではなかったと」
「そうそう。そんなイベントは俺には無縁なものだ」
「えー、でも先輩地味にモテてません?気のせいですか?」
331:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:08:22.54 ID:RYx/9kaJo
買い物を終えてから講習室に戻り、買ってきたお茶を注いでのんびりしていると、玉縄がぱんと手を叩いて注目を集めた。
「ではそろそろ時間になりますので、会議始めまーす」
332:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:09:23.81 ID:RYx/9kaJo
「はじめまして、雪ノ下です。これからイベントまでの間よろしくお願いします」
海浜高校のメンバーの視線が雪ノ下に集まり、ささやかな拍手が沸き起こった。雪ノ下の凛とした姿勢は変わらないが、少しばかり照れ臭そうにも見える。
「今日は初顔合わせだから、みんな簡単に自己紹介していこうか。お互いの名前がわかったほうがコミュニケーションもスムーズにできるからね」
333:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:10:39.03 ID:RYx/9kaJo
折本の番のときだけは聞いていたが、特に思うところはなかった。
ただ、俺を挟むようにして座っている一色と由比ヶ浜、さらに隣の雪ノ下を見るときの目付きが普段のそれとは違って見えた気がした。
向こうの自己紹介が全員終わり、こちらの番になった。雪ノ下は済んでいるので由比ヶ浜が行い、次は俺だ。
334:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:12:08.05 ID:RYx/9kaJo
全員の自己紹介が終わると、当然のように司会役の座に収まった玉縄に皆の視線が注がれる。
「じゃあ早速だけど、イベント内容のアイディア出しからやっていこうか。これはゼロベースでいくから、既存の枠組みにとらわれず自由な……」
「ちょ、ちょっと待って。その前に基本的なことを確認させてもらえるかしら?こちらはまだその辺りのことをはっきり知らないし、認識を合わせておきたいわ」
335:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:13:17.77 ID:RYx/9kaJo
「予定?まだ押さえていないの?」
「この後やるつもりだよ。あまり先に枠組みだけ決めてしまうと視野を狭めてしまうからね」
「……そ、そうね。でも早急にやらないと。場所がないと中身を決めてもどうにもならないわ」
336:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:14:20.82 ID:RYx/9kaJo
木を見て森を見ずというのはあるが、森を見て木を見ずというのはなかなか珍しい。
こいつの場合、森よりもさらに大きく日本地図を見てるんじゃないかってぐらいな気もするが。
「そうだね。その辺りのコンセンサスを得てから中身についてブレストしていこう」
337:名無しNIPPER[sage sage]
2015/07/30(木) 22:15:26.03 ID:RYx/9kaJo
こいつの素は間違いなくあっちだ。そうわかっていても、その変わり身の早さには超ビビる。むしろ怖くなる。
「ヒッキー、何言ってるかわかる?」
反対側から囁くような声が聞こえてきたので顔を向けると、由比ヶ浜が困惑したような表情を浮かべていた。
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