過去ログ - 奉仕部の三人は居場所について考える
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753:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:35:49.00 ID:vhSqVbECo
普段なら絶対に聞けない、絶対に答えてくれないことを聞くんだ。
「どうするのがいいのか、わたしもそういうのから逃げて生きてきたのでよくわかんないんですが、聞きたいことがあります。葉山先輩……好きな人、いますか?」
甘えた猫なで声じゃない。上目遣いもしない。わたしがわたしとして聞く、初めての本気の質問。
754:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:36:33.63 ID:vhSqVbECo
そこまで考えてなかった、待ってください、まだ心の準備が……。
「その人のイニシャルは、Yかな」
まったく予想していなかった曖昧な答えに拍子抜けしてしまった。
755:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:37:46.15 ID:vhSqVbECo
「そう、ですか」
わたし自身が好きなのかわからなくなってきたし、ちゃんと想いを告げたわけじゃないんだけど。
たぶん、わたしは今、葉山先輩に振られたんだろうな。そこまでいかなくても、少なくとも告白とかしてもダメなんだってことを教えてくれた。
756:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:38:46.69 ID:vhSqVbECo
「いろはは素敵な子だ、素直にそう思う。もし、もっと早くから君と出会っていたら、出会う順番が違っていたら、きっと俺は……」
「はっ、もしかして好きになってたって言おうとしました?わたしも葉山先輩のこと好きだと思ってたんですけどよくわからなくなったのでまだ付き合わないでもらっていいですか、ごめんなさい」
…………しまった。こんなこと言うつもりなかったのに。わけわかんなすぎる。付き合わないでくれって、何様なんですかわたしは。
757:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:39:56.84 ID:vhSqVbECo
「っはー。可笑しかった。いや、どうしたも何も……いろはが面白すぎて。まだ付き合わないでくれって、そんな日本語があるなんて思いもしなかったよ」
「あ、まぁ……そうでしょうね。わたしも言うつもりなかったですし……。なんかもう自分がどんな人間なのかよくわからなくなってきました」
「くっく……。じゃあ教えようか。いや、聞かせて欲しい」
758:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:40:59.19 ID:vhSqVbECo
わたしの好きな人。
よくわからなくなってきたけど、それなら簡単だ。だって───。
「H、ですかね」
759:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:42:35.65 ID:vhSqVbECo
特別ではあるんだろうけど、好きかもしれないと言っているその対象にわたしが含まれていないのは確実なわけで。
他人にまともに踏み込むなんて初めてだからよくわからないし、自信はないけど。
それでも今は、葉山先輩に一歩だけ近づけたような気がした。
760:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:43:32.54 ID:vhSqVbECo
さりげなくわたしを気遣ってくれる台詞に若干の感動を覚えつつ、はいと小さく返事をした。
葉山先輩が去ると、当たり前だけど一人になった。
ちょうどいいから少し落ち着いて気持ちを整理してみよう。寒くなってきたけど。
761:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/25(金) 00:46:46.63 ID:vhSqVbECo
ここまで
なんか半端なとこだけど投下
続きも大分書いてるけど寂しくて我慢できなくなった
読んでくれてる人まだいるんですかねこれ……
762:名無しNIPPER[sage]
2015/09/25(金) 00:52:03.59 ID:yGw6WZ+bo
乙です!
763:名無しNIPPER[sage]
2015/09/25(金) 00:52:27.24 ID:RG82mfCXo
乙
いい感じにまとまったな
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