過去ログ - 【艦これ】神通「姉さん、朝ですよ!」川内「嫌だあああ起きたくない!」
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15:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 23:52:53.46 ID:7kDt7BGK0

 長距離練習航海。
 川内他皐月・菊月・敷波。計四隻が出撃した遠征である。
 練習航海と言っても、近隣の沿岸に深海凄艦が接近した痕跡が無いか、襲われた形跡がないかを調べることもこの任務の内容であり、しっかりと普段との違いを確認していかなくてはいけない為に精神が削られていく任務だ。
 鎮守府周辺にはまだこの地を離れない人達が生活をしている。その自治体からパトロールを依頼されている為にこのような形を取って哨戒することになっている。
 報酬は大本営に支払われ、その報酬としてこちらに弾丸や艦娘の傷を癒す事のできる修復剤が送られてくる。
 川内は軽巡でありながら旗艦ではなく、旗艦補佐としてこの隊の二番艦を担っていた。
 今回の旗艦は睦月型五番艦の皐月。三番艦を菊月。四番艦を敷波が担当していた。

「んっはー! いい天気だね! こんなに波も穏やかだし暖かくて気持ちがいいや」

 陽気に当てられた皐月が隊無線越しにそんな事を言う。
 それに対して川内は抑揚の無い声で返した。

「皐月、今足元に何が沈んでいたか見えた?」

「え? えっと……わかりません」

「正解は運送用に使われていたと思うドラム缶の山。旗艦は艦隊の前を走るんだからそういう所もちゃんと見て。そこに機雷があったのに気付きませんでしたじゃ話にならないよ」

「はい……すみません。川内さんはよく気付きましたね」

「……神通の訓練を受けていればこれくらい普通じゃないの?」

「えっと……」

 皐月と川内の会話を無線で聞いていた敷波が割って入る。

「川内さん。注意するのはいいけど艦隊の空気重くするのは止めてください。迷惑です」

「敷波! 僕は大丈夫だから!」

  慌てて皐月が敷波に答えるが、敷波は止まらない。

「こっちが大丈夫じゃないっての。菊月もなんか言いなよ」

「こちらは現在哨戒中だ。悪いがそちらの話は聞いていなかった。」

「……っち」

「あーもう! 敷波も菊月も! 川内さん、そろそろ折り返しです」

「……了解。叢雲に連絡後帰投ね」

「はい」

 皐月が耳に付けている無線を入れると、間もなく叢雲からの応答があった。

『はーい、こちら指令室』

「こちら第三艦隊旗艦皐月、遠征の折り返しポイントに着いたよ」

『あら、時間通りね。また揉めてるんじゃないかって心配してたわ』

「それは間違ってないね。いつも通りだよ」

『刺激的でいいじゃない。いがみ合いができる位には平和ってことよ。帰投は予定通りね』

「うん、それじゃ」

『待ってるわ、以上』

 そこで通信は切れた。

「皐月より各艦に通達! これより船首回頭、沿岸より沖を経由しつつ帰投するよ!」

 そこから帰り道は殆ど無言が続いた。
 皐月は川内にこれ以上小言を言われまいと口を閉じ、川内は無表情で進んでいく。
 菊月は相変わらずに任務をこなし、敷波は目に見えて不満を抱えていく。
 そしてそれはゆっくりと口から漏れ出した。


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