過去ログ - 【艦これ】神通「姉さん、朝ですよ!」川内「嫌だあああ起きたくない!」
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◆tbwnV7sn12
[saga]
2015/08/02(日) 22:34:04.48 ID:lUYBFblw0
「これでぇ!」
吹雪の主砲から放たれた砲弾が、駆逐ニ級eliteの頭部を捉えた。
短い悲鳴の後、船体が右に深く沈み込んだ。
辺りに集まっていた深海凄艦も大分数が減り、後はちらほらと残っている駆逐級と重巡級が数隻はぐれて個々に動いているだけだった。
突撃してくる様子もなく、逃げ出そうにも逃げられない。そんな印象を与える動きを見せていた。
吹雪達は一度集まると、周囲警戒を厳にしながら現状の確認を取る。
「吹雪、残弾と燃料は?」
「弾は平気だけど、魚雷が残り三発くらい。燃料は半分くらいまだあるよ。白雪は?」
「弾が心もとないですね。魚雷と燃料は大丈夫です」
「私は……燃料は平気。弾もまだ、ある。叢雲、は?」
「弾は余裕だけど燃料ね。魚雷はまだあるわ。吹雪の予備弾薬を白雪に。燃料は渡せないから……余裕ある子が主にかく乱を担当しましょう」
「「「了解!」」」
「あれ? そういえば皐月ちゃんはどこ?」
「皐月なら川内と同じようにしているわ。ここにきてからの積極性といったらもうね」
「ははは。良いことなんじゃない? 皐月は多分私や白雪や初雪よりも技能もセンスもあると思う」
「負けてられないわね」
「もっちろん! さぁ、残りの火を消せば後は本隊と決戦だね!」
「えぇ。はぐれている艦もついでに落として回るわよ!」
「「「了解!」」」
それから間もなく、海に完全な闇が戻ってきた。
聞こえるのは波の音。見えるのは空に浮かぶ星と月の淡い光。
ゆっくりと流れてくる大きな雲が月を覆い隠した時。
それはかつての姿を取り戻す。
戦艦タ級flagshipを旗艦とした敵本隊は、複縦陣を保ったまま止まっていた。
少しでも動きを見せればその方向に対して16インチ主砲が飛んでくる予感を相手に与えながら。
隙を一切見せないその立ち姿を、皐月は海上にしゃがみ込んで見ていた。
川内が動きを見せた事を合図に敵のかく乱。及び牽制が皐月に与えられた仕事だ。
その為、川内と同じように相手とかなりの距離を取った後に遠回りをして気配を消していた。
電探で姿を捉えられている可能性はあるが、それが艦娘なのか漂流物なのか分からなければ敵も容易には動けない。
もしもこちらに砲撃をしてこようものなら別の誰かがそこから相手を崩しにかかるだろう。
まるでいつかの演習でやったチキンレースのようだ。
子供がかくれんぼをしているかのようなドキドキと、いつ敵にやられるかわからない緊張感が皐月の身体を火照らせていく。
ゆっくりと、辺りをほんのりと照らしていた月明かりが消えていく。
空を見上げると、大きな雲がまもなく月を飲み込んでしまう所だった。
そして、月は姿を消した。
その時。
「ガアアアアアアアアア!!」
深海凄艦の一隻が大きく声を上げた。
皐月がそちらに目を向けると、敵陣形のど真ん中から一瞬探照灯の光がフラッシュの様に見えた。
合図だ。
川内がそこまで潜入し、一隻落としたのだろう。
皐月は主機を一気に回し込むと、敵に急接近していく。
敵本隊は周囲に副砲の弾幕を張り始めるが、そのお蔭でどこにどのクラスの敵艦がいるのかが分かる。
次は敵正面から探照灯の光が一瞬灯る。
あれはきっと叢雲達だろう。
この作戦は、川内が考えたものだった。
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