過去ログ - 神通「ランダウンプレー」
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141: ◆jSMhOnCsDM[saga]
2015/07/26(日) 23:55:33.07 ID:zxaWQ5Rw0


夕立「暁ちゃんは、まだちょっと弱いっぽい」

暁「そんなことないわよ!私だってちゃんと……」

 
 ドア越しの廊下では聞き慣れた二人の声が通り過ぎていく。


暁「そもそも夕立は欲張りなのよ。最近ずーっと夕立に取られっぱなしだし」

夕立「そ、そんなこと……。だって仕方ないっぽい。強すぎて自分でも制御できないんだもん……」

暁「そのうち狂っちゃうんじゃない?」

夕立「それは心配ないっぽい!」

夕立「────それに関してはもう、かなり狂ってるから」


 強い、弱いの類は戦闘の話だろうか?それくらいしか思い当たる節がないのだが、あるいは…………
 
 さすがに考えすぎ。頭を強めに振って、浮かんできた考えを自らで否定した。それにしても随分と自信家だ。


夕立「でもあたしも、最近は満足できてないっぽい」

暁「そうなの?」

夕立「うん。だって最近は」

夕立「……最近は神通さんに取られっぱなしだから」


 ──────獲られっぱなし?MVPの話?いや、最近は演習でしか獲っていないはず。

       それもこれも、もっと強くなって提督のお役に立つため


暁「あー、たしかに。それはあるわよね」

夕立「でしょ?秘書官ってズルいっぽい!不知火ちゃんも寂しそうだし」


 ──────そろそろ慣れてきたというのはある。「辞めろ」とも言われていないので秘書を継続しているに過ぎないのだ。でも自分から辞めたいなんて言い出すつもりは微塵もない。

       それもこれも、提督のお傍に居たいがため


夕立「でもね!提督さん、夕立が行くとちゃんと相手してくれて、それだけでも安心っぽい!」


 提督が夕立ちゃんの遊び相手に?ちょっと、何を言っているのかよくわからない。提督がいつもお疲れになっていることは、この私がよく知っている。だいいちこの私がほとんどお傍に居るのに、彼女がやってきたような記憶は全くない。

 疲れているのに遊ぶだろうか?きっと単なる妄想だ、または幻覚が見えてしまっているのかもしれない。
 可哀想な子


暁「私もこの前、代理で秘書官をやったときに久しぶりに独り占めできたの!」


 提督が気を遣って、一日の休暇をくれたとき。そのときの代理として彼女が抜擢されていたのは覚えている。提督のサポートをしっかりとお願いしたし、その日だけ『傍に居て手伝うこと』を許したのだ。

 でも、誰が独り占めなんて許したの?私はそんな許可をしていないし、今後する予定もない。

 やっぱり幻覚が見えているのだ。
 本当に可哀想な子たち




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