423: ◆jSMhOnCsDM[saga]
2015/09/07(月) 23:30:01.14 ID:ojsm9+i20
神通「提督をお守りするために頑張りました」
提督「ありがとう、おかげで助かったよ」
神通「何からですか?」
提督「何から守ってくれたかによる」
神通「全てです」
満面の笑みに切り替わる。
神通「この戦いにおける敵はもちろんのこと、私たちが戦果を挙げれば提督の地位や名誉も維持できます」
神通「でも一番はやっぱり、他人からですね。提督を取られないように」
この類の台詞も、彼はもう慣れていた。ここまで日常的に聞かされると自然なことだろう。その自然なことが、すでに不自然だということすら忘れている。いや、忘れさせられてしまったというべきかもしれない。
神通「でも、結局は分け与えることに妥協しそうです。悔しいですけど、そうしないと」
提督「分け与える……?」
神通「…………あ、もちろん物理的になんてことはしませんよ?」
提督「良かった……」
神通「私はそんなこと致しません。もしそういうことを企てる子がいるのなら──────」
海風が窓を叩く音。
波の音。
針の音。
早い呼吸、溜め息。
彼女は机に駆け寄り両手をつく。
至近距離。早い呼吸。
彼女がまた笑う。
彼は驚き、顔を背けた。しかし失礼だと思ったのかすぐに向き直っている。
神通「その時は私が提督ごと引き取りますから。私がお守りいたします。これからもずっと、そうしていたいものですね」
二つの深呼吸。視線が交差。
提督「ははは、それなら安心だな」
実に幸せそうな二人の笑顔が、そこにあった。
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