過去ログ - 神通「ランダウンプレー」
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467: ◆jSMhOnCsDM[saga]
2015/09/12(土) 22:53:03.84 ID:UQ2ifEIU0


神通「提督」


 小声で呼び止める声に振り返った。

 距離2メートル。

 お互いに手を伸ばせば届きそうな。


提督「どうした?疲れたか?」

神通「いえ、そんなことはありません」


 寄せる波、白い砂、太陽が照り付ける。

 絵に描いたような砂浜だ。きっといい絵になるだろう。前を歩く三人はこちらに気づかず、はしゃぎながら前進を続けている。


神通「提督」


 彼女が二歩前へ出る。

 思わず完全に振り返る。

 白い砂が低い位置で弾け飛んだ。

 そして、重い衝撃。銃で撃たれたみたいな衝撃だった。撃たれたことなんてないけれど、たぶんこんな感じ。

 細い折れそうな腕が力強く首裏へ。その力で、彼女は自らを引き寄せた。


提督「神通」

神通「はい」

提督「どうした?」

神通「なんでもありません。ただ、こうしたくなっただけです」


 目の前の小さな肩がぴくりと揺れる。笑ったようだ。なにも面白いことを言ったつもりはない。

 横から風が吹き、彼女の髪が流れてきた。同時に、彼女の顔も首筋へ流れてきた。

 温い息遣いが首筋に吹きかかり、冷たい風が強調される。少し寒い。

 続いて生暖かい感触。

 首筋を吸いあげられる感触。

 そして、ぬるっとした感触。

 少しだけざらざらしているのも独特。

 それが、首筋を這い回る。

 俺は黙っていた。なすがままにされていた。何を聞いたって「そうしたかった」と言われるだけのような気がしたからだ。

 やがてその感触が離れ、再び冷たい風。

 やけに長く感じた時間だが、前の三人が進んだ距離を見る限りでは1分も経っていないだろう。

 耳のあたりにキスをされた。少しくすぐったい。




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