259: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:53:10.78 ID:pZ2c0fHa0
提督『……それは仕方ない、か。
さて、俺もコーヒー飲みながら、仕事仕事……』
提督は人間の給餌からコーヒー付きの食事トレイを受け取り、独りごちながら食堂を後にしようとした。
260: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:53:39.82 ID:pZ2c0fHa0
◇
変人。
それが、今の提督の、周囲からの評価であった。
261: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:54:13.60 ID:pZ2c0fHa0
連日のように軍民問わず大量の被害が出ていた時代。
軍への志願など、自殺しに行くようなものであった。
故に、志願するのは深海棲艦に強い憎しみを抱き、これを滅さんとせん、意志のある人間ばかり。
提督の同期も、皆そうであった。
262: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:54:52.11 ID:pZ2c0fHa0
提督『……まぁ、今気にしても仕方がない。
とにかく今は赤城だ』
小説を読ませ始めた影響だろうか。
海上で艦載機の実験を始めた頃から、赤城はほんのだが、少しずつ表情を見せるようになっていた。
263: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:55:52.30 ID:pZ2c0fHa0
こういう関係を続けていけば、態度もそのうち軟化するかなぁ、などと考えている自分がいる事に気がつく。
提督『……待て待て、大事なのは艦載機だ、艦載機……』
誰も居ないのに、慌てて自分を矯正する。
264: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:56:23.67 ID:pZ2c0fHa0
◇
管理棟までの道すがら。
提督は演習場の近くを通り、赤城の様子を確認する事にした。
265: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:56:53.29 ID:pZ2c0fHa0
砲撃訓練は各司令官らの艦娘が一堂に会して行い、それを監督する存在がいる。
提督の同期の一人なのだが、この担当官が中々に理不尽な男で、何もしていない艦娘ですらドヤされる事が多々あった。
そんな男の前で、ぼーっと突っ立っていたりしたらーー
266: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:57:18.93 ID:pZ2c0fHa0
その時。
赤城は一瞬だけ。
本当に一瞬だけ。
とても嫌そうな顔をして。
267: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:58:02.82 ID:pZ2c0fHa0
提督(嫌悪……?嫌悪?
……艦娘が?)
艦娘は感情の無い、武器のような、兵器のようなモノではなかったのか?
少なくとも、養成所時代に自分はそう教わった。
268: ◆hsyiOEw8Kw[saga]
2015/08/03(月) 21:58:48.71 ID:pZ2c0fHa0
嫌悪。
嫌な事に対する心の反応。
これを感情と呼ばずして、何と呼ぶか。
提督(多くの艦娘らが無表情なのは……感情が無いから、感情を知らないからでは無く……
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