過去ログ - 咲「池田さんって親切なんですね」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 00:54:52.24 ID:EMpWlRS30
残暑とは名ばかりで今だ暑さが和らぐ気配もない。 
  
 昼過ぎの最も太陽が高い頃、電車を待つ咲の背はジリジリと焼かれる。 
  
 両手で抱えた紙袋は汗でふにゃりとし、落とさないように何度も抱え直す。 
  
  
  
 夏休みももう終わりだ。 
  
 今日は恐らく宿題がまだ終わってない者への救済として与えられた夏休み最後の部活休み。 
  
 堅実に宿題を終わらせていた咲は好機とばかりに朝から街へ出ていた。 
  
 真っ先に向かった古書店街で掘り出し物を見つけ、 
  
 嵩張る戦利品の重さに辟易したものの早く読みたくてうずうずとしている。
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 00:59:43.18 ID:EMpWlRS30
 ホームに滑り混んできた電車を見て咲は再び荷物を抱え直す。 
  
 平日のこの時間帯は乗降客は少ない。 
  
 電車のドアが開いた瞬間、暑さで淀んだ空気と冷房の効いた冷たい風が入り混じり、目の前がくらりと歪んだ。 
3:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 01:03:11.30 ID:EMpWlRS30
 ?「なー」 
  
 本が突如目の前から消え去った。 
  
 咲「!?」 
4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 01:23:17.63 ID:EMpWlRS30
 ぺち、と華菜は咲の額に小さくデコピンをする。 
  
 咲「それはすみませんでした。あの、よかったら隣に座りませんか?」 
  
 華菜「んじゃ失礼するし」 
5:名無しNIPPER[sage]
2015/06/30(火) 01:26:25.84 ID:Ijal7bgBO
 まだトラウマってんのかw 
6:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 01:36:37.33 ID:EMpWlRS30
 華菜「ちょっとケータイ貸してくんない?あいつに待ち合わせ場所電話しないと。私のは充電切れちゃってさ」 
  
 咲「いいですけど。まさか電話するつもりですか」 
  
 華菜「ダメ?自分のケータイで片岡に電話されんの嫌か?」 
7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 01:43:05.02 ID:EMpWlRS30
 咲は窓を眺めた。 
  
 あともう一駅だ。 
  
 本を読む時間もなく手持ち無沙汰で咲は流れる景色に目をやった。 
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