12: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:53:11.80 ID:DAoM3V/So
「ふむ、川にたどり着いた」
「首さん首さん、ごようですか」
「やぁ川蟹くん」
13: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:54:14.44 ID:DAoM3V/So
「ところで、あなたの『なまえ』はなんでしょう」
「なんだろうな、『首』と名乗っておこうか」
「『首』さん『首』さん、わたしはあなたを切らなければなりません」
14: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:54:48.27 ID:DAoM3V/So
「あ、髪が……」
「蟹に切られてしまったよ」
「蟹なら仕方ないけど、最近はこんなところにまで来るのね」
15: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:55:24.40 ID:DAoM3V/So
「さて、今日も少女の名を探すとしよう」
ころころり
「うむ、髪が短いと転がりが速くなる」
16: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:56:00.82 ID:DAoM3V/So
「ここは図書館かな?」
ざわざわ
「ふむ、私は図書館は得意ではないのだが、これも少女の『名前』を知るためだ、行ってみよう」
17: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:57:03.93 ID:DAoM3V/So
「やあ、本の諸君」
「首よ、我が名は『ディータ家に伝わるアントレクホッズの活用』」
「我が名は『いしのあたがるこうし』」
「『勝負への第百八十七の序曲』」
18: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:57:37.66 ID:DAoM3V/So
「しかし、名乗ってしまった本の中に人名事典でもあったのだろうか」
「私は少女の『名前』を知ってしまった」
「これは大きな進展だ、しかしそうなると、急いで事を進めなければ」
19: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:58:37.22 ID:DAoM3V/So
「ふむ、あの本たちの中には随分と物知りがいたようだ」
「見る物のほとんどの『名前』がわかってしまう」
「しかしこれでは私はパンクしてしまう、ここからは目を瞑って帰ろう」
20: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 05:01:47.59 ID:DAoM3V/So
「今日はどうして目を瞑ってるの?目でも痛いの?」
「それは、君の『名前』を知ってしまったからだ」
「あらまあ、どうして」
21: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 05:02:55.41 ID:DAoM3V/So
「あら、素敵なお部屋」
「君のために作ったのさ、『テーブル』に『椅子』、『ベッド』に『チェスト』、『パン入れ』に『フルーツかご』、まだまだたくさん取り込んだよ」
「こちらのお部屋は書斎かしら」
26Res/11.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。