6: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:49:30.65 ID:DAoM3V/So
「ふむ……動かせるところでも動かさないと、いざ地上に出られたときに体が鈍ってしまうな」
「とりあえず、首の運動でもしておこう」
ぐる、ぐる、きゅきゅきゅ、きゅっ、きゅぽん
7: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:50:05.87 ID:DAoM3V/So
ごろん、ごろん
「たいへん遠くまで来たようだ、ここはどこの町の路地裏だろう」
「おや、首だ」
8: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:50:37.14 ID:DAoM3V/So
「それで、首さんが何の用だい?」
「私についてきて、私の体を掘り返してはくれないだろうか?このまま体が動かせないと、地中の鉱石と反応してエンラトデュール症候群にかかってしまうんだ」
「残念だが、俺は死んでるのには興味がないんだ」
9: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:51:09.33 ID:DAoM3V/So
「ああ、一つだけ聞かせてくれ」
「なんだ」
「少女の名前を知らないか?」
10: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:51:43.08 ID:DAoM3V/So
「やあ」
「おはようございます」
「昨日はよく眠れたかい?」
11: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:52:11.20 ID:DAoM3V/So
「さて、今日はこの長くなってしまった髪の毛で、普段はいけない場所に行ってみよう」
「髪の毛は女の武器というからな、きっと色々なことに役立ってくれることだろう」
ぐるん、ぐるん
12: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:53:11.80 ID:DAoM3V/So
「ふむ、川にたどり着いた」
「首さん首さん、ごようですか」
「やぁ川蟹くん」
13: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:54:14.44 ID:DAoM3V/So
「ところで、あなたの『なまえ』はなんでしょう」
「なんだろうな、『首』と名乗っておこうか」
「『首』さん『首』さん、わたしはあなたを切らなければなりません」
14: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:54:48.27 ID:DAoM3V/So
「あ、髪が……」
「蟹に切られてしまったよ」
「蟹なら仕方ないけど、最近はこんなところにまで来るのね」
15: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:55:24.40 ID:DAoM3V/So
「さて、今日も少女の名を探すとしよう」
ころころり
「うむ、髪が短いと転がりが速くなる」
16: ◆fh8RBRxwxc
2015/06/30(火) 04:56:00.82 ID:DAoM3V/So
「ここは図書館かな?」
ざわざわ
「ふむ、私は図書館は得意ではないのだが、これも少女の『名前』を知るためだ、行ってみよう」
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