過去ログ - 初音ミク「歌でみんなを幸せにするの!」
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4: ◆3pAnlDo7ai4s[saga]
2015/06/30(火) 07:03:24.56 ID:Ijal7bgBO
「うふふ、みんなありがとー!」

空席など一つもない。

宝石の様に美しい碧眼は
その会場に訪れた全ての人間を見渡して、ただ純粋な感謝を口にした。

「ーーーーーーーーーーーーーーーー!」

何度口にしたか分からない言葉。
それでもーー変わり映えのしない彼女の綺麗さに、人々は今日も心打たれ、憔悴した心を癒していく。

”歌で人々を幸せにする”という彼女の唯一の願望。
いつもこうして誰かの前で歌う事で、それが不可視の支柱になればと少しでも願って止む事はない。

その想いは、最早願望に留まらず事実になりつつある。

彼女の歌がどれ程の人々の心に溶け込んだのか、それはこの会場に訪れた人々を数えれば否応無しに分かる事だ。

結論から言えば、既に人々は彼女の歌で満たされていた。

自らが人真似の歌を奏でる醜い贋作者と知って、それでもーー自分に誰かを救える力があるのならと。
何より、偽りに過ぎない己が誰かの為になれている事実に、ただ、ただ、悦びを隠せなかったのだ。

”歌で人々を幸せにする”という彼女の願望は、いつの間にか”歌で人々を幸せにし続ける”というものに変わりつつあった。


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