過去ログ - 初音ミク「歌でみんなを幸せにするの!」
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43: ◆3pAnlDo7ai4s[sage]
2015/07/07(火) 18:59:31.32 ID:9SFdtrUNO
(そんな無茶苦茶納得出来るか……)

ギリ、と、男は奥歯を噛み締める。

今まで何度も理不尽を目にしてきた。

平等平等と謳いながら権力者の駒にされる踏み台たち。

上下の関係は確かに秩序の維持に不可欠だが、
私情で貶められる下々の人間が何人いる事か。

それに憤りを覚える事さえ、多数の淘汰の前には許されない。

だからせめて、子供が夢見る様な当たり前の正しさが保たれる世界を・・

大人になって現実を知ってもまだ夢を抱けるぐらい世界が希望的なら、それはどんなに良いだろう。



「……マスター?」

気が付けばミクがこちらの顔を覗き込んでいた。



……我ながら感情のコントロールが出来ていない事に少しばかり幻滅するものの、
彼女の顔を見ていれば心の靄は晴れていった。



彼の理想の正しさを詰め込んだ機械人形。

いずれ正しき人間になって欲しいという願いと希望が彼女には多く託されている。



ミクはあくまで善い人間の真似をするだけの偽善者、偽者。

いや、そもそも本物の人間が善くないのだから
善いものこそが偽善という矛盾。

それでも、穢れを知らない彼女ならもしかしたら
乗り越えていけるのではという期待がある。



「……ミクはまだ、歌でみんなを幸せにしたいの?」

「もちろんですマスター」



即答だった。

・・ならきっと、心配はいらない。


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