過去ログ - 【艦これ】那智「皆に慕われる提督」
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88: ◆aKZmxL4TCc[saga]
2015/07/08(水) 22:26:32.84 ID:IWPYzv9w0


天龍「ごちゃごちゃうっせーぞォ!!」



 その割り込むような声の主は、深海提督の後ろ。いや、正確には深海提督の後ろの上方からだ。天龍が、大きくジャンプをして自分の獲物である刀を、

振りかざしていた。

 深海提督は、その声に反応して後ろに振り向き、右腕を顔の前に水平に構える。

 ガッキィィィィィィィン!!!という甲高い音が鳴り響く。

 よく見ると、深海提督の腕は天龍の刀では切れていない。

天龍(俺の不意打ちに気づいた上に…ガードするだと…?コイツの腕…ただの人肉じゃない…?)

天龍「ヘッ…良い腕だな…」

 ギチギチ、と天龍の刀と深海提督の腕がお互いに力で押し合っている。

 すると、深海提督のは空いていた左手の手のひらを天龍の腹に向ける。

天龍「突き飛ばす気か?そこまで俺は脆弱じゃねぇぞ」

深海提督「それだけだと思うな」

 深海提督が言葉を返すと、その左手の手のひらからズズズ、と言う音と共に砲が突き出される。

天龍「な…に…?」

 このまま撃ってくる。天龍は直感でそう感じた。だが。

天龍(落ち着け。こいつの手のひらの砲は約3インチ。これなら直撃しても艦娘の力を使って、艤装を少し破損させる事で何とかなる。そしたら今度は、

   こっちのパンチをお見舞いしてやる)

 天龍がそこまで考えた瞬間、深海提督の手のひらの砲が火を噴いた。

天龍「ヘッ…この程度の砲撃が、天龍様にかなうとでも―」

 だが。


天龍「………あ?」


 突然、腹に熱い感覚が走る。天龍がおかしく思って腹の方を見ると、制服の腹の部分に血が滲み出ている。

天龍「血…?何で…」

 天龍は最後まで言葉を言えず、その場にしゃがみ込む。そして何とか意識を保とうとしたが、ついには倒れこんでしまった。

 天龍が動かなくなるのを見て、深海提督は天龍の手から落ちて海面に漂っている刀を拾おうとする。

深海提督「いい獲物だな」

 だが、さらに別の怒号が聞こえてきた。



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