15: ◆Rqkr/iCaBpzw[saga sage]
2015/07/11(土) 23:13:22.73 ID:if7sMFiq0
餌を食べた後も猫は梓の手をぺろぺろ舐めていた。
「梓ちゃんの手、おいしいのかしら」
可笑しそうに笑いながら紬が言う。
「う、くすぐったいです」
「ふふ、もう撫でさせてくれるんじゃない?」
紬の言うとおりだった。
梓が左手で猫を撫でると、特に抵抗されなかった。
しかし、撫でられているときの猫の顔は……。
「なんか、撫でさせてやってるって顔してますね。偉そうです」
「でも気持ちよさそうだよ」
「そうでしょうか」
なんだか猫に下に見られている気がして、梓は腑に落ちなかった。
ただ、楽しそうに猫と戯れている紬を見ると、そんな不満を口に出すのは無粋な気がしたので黙っておいた。
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