過去ログ - 仕事を辞めた俺は超自然現象対策室に再就職した　最終章・後編 -SS速報VIP

過去ログ - 仕事を辞めた俺は超自然現象対策室に再就職した　最終章・後編

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1:名無しNIPPER[saga]
2015/07/01(水) 00:11:56.73 ID:Qlp0FJaV0
一章
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二章
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三章
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四章
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五章
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最終章・前編
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/07/01(水) 00:16:12.26 ID:Qlp0FJaV0
※始める前に

今回はコロコロ視点変更してます、あらかじめご了承下さい。
最後ということで色々と急展開、駆け足気味でおかしいところもあるかと思いますが、どうかお付き合い頂ければ幸いでございます。
それでは投下していきます。

3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:23:02.87 ID:Qlp0FJaV0

　私たちは一体何のために生まれてきたのか。

　人にはそれぞれ生まれた意味があると考える者もいるが、明確な答えはない。

4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:27:25.87 ID:Qlp0FJaV0

　それなら、人間という超自然現象によって生み出されたそれは超自然ではなく必然である。
　
　私は私たち人間が生み出したそれを、必然という名の現象を封印する立場にある。

5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:30:01.29 ID:Qlp0FJaV0

　照明が半ば落とされたオフィス内。
　時刻はもう深夜に達している。
　私たちは最近こうして帰宅することもなく連日連夜オフィスに泊りがけでこもっている。

6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:33:03.64 ID:Qlp0FJaV0

――雪子の体内には荒神を封印した御神体が眠っている。

　榊はそれを彼女の体内から取り出し、我が物にしようとしていると思われる――　というのも、榊本人がそのような供述を犯行声明で口にしていたからだ。

7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:37:36.75 ID:Qlp0FJaV0

――そして二つ目の理由。

　夕月の中に眠る凶悪な現象を身代わりとなってその身に移した神山君が失踪したため。

8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:40:28.95 ID:Qlp0FJaV0

――神山君は脱走した。

　どのような方法でそれに至ったかは分からない。

9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:42:59.42 ID:Qlp0FJaV0

「天城、神山君の行方は後回しにしよう――」
「――ボス！？」

10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:45:14.16 ID:Qlp0FJaV0

――人間は誰しも自分の身を一番に考える。

　程度の差こそあれど、誰だって自分の安全が第一なのだ。

11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:48:49.26 ID:Qlp0FJaV0

　全ては流れるように、嵐のように過ぎ去った。

「どうして――」

12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:51:42.65 ID:Qlp0FJaV0

「――どうして？」

　そういう惨事に遭って、攻撃を受け傷つき気を失った私は近場の総合病院へ運び込まれ、そして入院した。

13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:54:40.00 ID:Qlp0FJaV0

「なんで――　なんで！」

　思い出す度に自責の念が沸いてきて、それに押し潰される。

14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:56:50.23 ID:Qlp0FJaV0

「お姉、龍一、会いたいよ――」

　どうして私はこんなに弱いんだろう。

15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 00:59:57.85 ID:Qlp0FJaV0

「ヤエさん、ヤエさん私――！」
「ごめんね桜子ちゃん――　ごめんね」

16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 01:02:45.10 ID:Qlp0FJaV0

「どうして龍一がお姉のことを知って――」
「桜子ちゃんがどこまで知っているか分からないけれど、私は龍一様と共にいたわ。そして夕月という人を救いに行った。やがてあの人は彼女の全てを代わりになって背負った」
「そこまでは聞いたわ――　でもヤエさんが一緒にいたなんて知らなかった」

17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 01:05:37.77 ID:Qlp0FJaV0

「――分からないよ」

　もう分からない――　本人がどこかへ消えてしまった今、その真相を知る術はない。

18:名無しNIPPER[saga]
2015/07/01(水) 01:08:10.76 ID:Qlp0FJaV0

　仄暗い、ジメッとした気色悪い部屋。
　そんな一室を照らすのは天井からぶら下がる裸電球。
　どうやらここは地下室のような場所らしい。

19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 01:11:05.70 ID:Qlp0FJaV0

　事の発端は数日前まで遡る。

　さらわれて、謎の施設に閉じ込められた私。

20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 01:13:41.52 ID:Qlp0FJaV0

「どうしてこんなことを――」
「君の中にいる荒神とやらは、全てを……　この世全てを統べる力を持っている。俺は全てが欲しい。この世界の真実、真理が欲しい！　その為には君が持つ荒神の力が必要だ……　荒神、暁月（ぎょうげつ）の力が」

21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/07/01(水) 01:16:39.08 ID:Qlp0FJaV0

「一族を継承する立場だった君が、この御神体の封印を解く術を知らない――　そんなわけないだろう？」

　牢獄、鉄格子の外から私に詰め寄る男、榊右近。

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