過去ログ - 紬「カチューシャ、前髪を上げて。」
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14:けいおんSS[sage saga]
2015/07/01(水) 22:16:18.81 ID:CuC+Dd1t0


しばらく澪ちゃんの背中で揺られ続けて、坂の手前で攻守交代(正しい表現なのかしら?)。

この坂を登るのは無理だよ。
律のやつ、いっつもチャレンジするけど、決まって最後まで上り切らずにバテちゃうんだから。

澪ちゃんのひとことがわたしの闘志に火をつけた。

後ろから走って坂を上ってきた小学生がわたし達を追い越していく。
振り向いた彼らのうちのひとりが、わたし達の方を見てぎょっとして表情を変えた。

…そんな、鬼を見たような顔しなくったっていいじゃない。

よっぽと酷い顔、してたのかな。

頂上に着いてから思いかえしてみれば、それも頷ける。
確かにそんな顔をしていそうなくらい、必死だった。余裕なんてひとかけらもなかった。

坂の後半はもう、歩く方が早いようなスピードだったんじゃないかしら。

それでもなお、一度も地面に足をつけることなくこの坂を上りきることで頭の中はいっぱいだった。
わたしって、こんな負けず嫌いの意地っ張りだったかしら?

坂を上りきることができれば、わたし達の中に確かな何かが生まれる気がしてたのかもしれない。





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