過去ログ - 紬「カチューシャ、前髪を上げて。」
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51:けいおんSS[sage saga]
2015/07/01(水) 22:50:09.28 ID:CuC+Dd1t0
「ねぇ澪ちゃん。星の数って、偶数だと思う?それとも奇数だと思う?」
「……」
「わたしはね、偶数ならいいな、って思うの。奇数は、嫌いだから」
そう言って、カチューシャを外して首を左右に振ると、長く伸びた金色の前髪が彼女の青い目にかかった。
「バカみたいね、わたし」
瞳を隠す前髪のせいで、表情は見えない。
鼻先に冷たさを感じて仰ぎ見ると、灰色の空から雨粒が降ってきていた。
続いて雨音が戻ってくる。
「…雨。いつまで降るんだろ」
「雨はやまないよ。ずっとずっと。世界が水の底に埋まるまで。それでもう世界はおしまいなの」
「困るよ、それじゃ」
「澪ちゃんは、梅雨がキライ?」
「どうだろ。決して好きってわけでもないけど…キライでもないよ。雨を見て詩をつくるときもあるし…ムギは?」
「キライ」
「好きかと思ってた」
「どうして」
「だって」
「だって…
誕生日、もうすぐだろ?わくわくしたり、しないのか?」
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